【わかりやすく解説!】休業補償と休業手当の違い

会社に勤務しているなら自営業とは違い、仕事による報酬手当など、いろいろな補償が備わっています。会社側は労働者にいろいろな補償を行う必要があるので、従業員はその補償を有効活用して仕事を満足に行うことができます。

会社側が提供している補償にもいろいろありますが、休業補償と休業手当について「この2つの違いは何なのか?」と疑問を感じることもあるでしょう。会社側が補償している休業補償と休業手当の内容について紹介しましょう。

休業補償と休業手当の内容をそれぞれ紹介

休業補償と休業手当にはそれぞれどのような違いがあるのか確認する際に、2つがどのような意味を持つのか内容確認しておく必要があります。休業補償と休業補手当は以下のような内容となっています。

休業補償とは

休業補償とは従業員が業務や通勤などの際にケガや病気になってしまうなど、労働災害の原因によって賃金を受け取れなくなる際に支払われる補償です。休業補償は労災保険に関係する制度であり、労働基準法により会社側に要求している補償制度でもあります。

もし、労働災害によって会社の業務を行うことができなくなり休業補償となれば休業開始4日目以降に労災保険から平均賃金の80%が支払われることになります。そのため、労災により仕事ができないときでも補償から賃金を得ることができるようになっています。

さらに休業補償は正社員のみではなく、契約社員やパートタイム、アルバイトなど働いている労働者全員が補償対象なので、労災が起きたときは補償を請求することが可能です。業務災害による負傷や療養、業務災害が発生して3日間の待機時間を経過しているなら休業補償を会社に要求するようにしましょう。

休業手当とは?

会社の補償には休業手当もあります。休業手当も休業補償と同じく労働基準法に記載されており、内容は「雇用者の都合で労働者を休業させる場合、会社は平均賃金の60%以上を労働者に支払わなくてはならない」となっています。

つまり休業手当は会社の雇用者が何かの理由で休業せざるを得なくなった際に働いている従業員に支払われる賃金です。休業手当の対象日は休業させた日となり、給与の支払い日に支給することになっています。

例えば、会社が1~2日休業せざるを得ない状況になったとき、元々出勤予定であった従業員は、その1~2日の賃金の60%を得ることができるというわけです。休業手当は出勤して得られるはずだった賃金を確保できる制度と覚えてください。

休業補償と休業手当の違いとは

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休業補償と休業手当の内容を考慮するとそれぞれ違いがあることも分かります。ただ、休業補償と休業手当の違いをさらに理解するために仕組みをそれぞれ正しく理解することが大事です。どのような違いがあるのか内容を紹介しましょう。

考え方や性質による違い

休業補償と休業手当には考え方や性質により違いがあります。休業手当が想定している休業は不景気や生産調整などによる会社の都合によって発生することが条件となっています。

従業員が働く意思があるのに、業績悪化による操業停止、また店舗のリニューアルなどによって数日従業員が働くことができない状況になった際に一定金額の補償を行う必要性が生じます。会社側の都合によって休業しているのに従業員に休業手当を行わないなら、労働基準法の規約違反として罰金を課せられることになります。

一方、休業補償の場合は業務中に労働者が生じさせた怪我や病気が原因で働けなくなった従業員の賃金補償をすることです。つまり会社の業務に携わっていてケガや病気でやむを得ず働くことができなくなった際に会社は賃金を出します。

休業補償も休業手当も労働者が働けなくなったときに賃金を補償するという点では同じですが、会社の都合なのか業務によりトラブルなのかにより補償の内容が違うことになります。

支払い算定金額に違いがある

休業手当と休業補償には支払われる金額にも違いがあります。休業手当の場合は会社都合により働けない状態となり、平均賃金の6割以上を支払うことが義務付けられています。一方休業補償は業務中に生じた怪我や病気で働けなくなることですが、平均賃金の8割を支払うことになっています。

つまり、休業手当は6割で休業補償は8割となっているため、支払われる金額は同じではありません。また、休業補償の支給金額は全部労務不能と一部労務不能によって異なり、1日単位で計算されます。

全部労務不能の場合は所定労働時間の全ての業務に就労できない場合です。1日あたりの平均賃金に相当する金額を計算して支払います。

例えば、1日8時間で8,000円の支払いが確約されていたなら、休業補償で6,400円を得ることができます。一部労務不能の場合は病院への通院など所定労働時間の一部分に就労できない場合、平均賃金に相当する金額から労働した部分に支払われる賃金額を引いた金額が支払われます。

例えば、1時間1,000円のチンゲンで通院や病院によって2時間ほど労働できなかった場合、2,000円分8割の1,600円が補償として支払われます。このように休業補償は1日単位で補償を受けられます。

休業手当の場合は平均賃金の6割なので、仮に平均賃金により日当が8,000円であれば6割なので4,800円が休業手当として支給されます。ただ、日当が8,000円でも平均給与の賃金が7,000円となれば、6割なので4,200円が休業手当となります。このように費用の計算は休業補償と休業手当によって違いがあるので、注意しましょう。

支払い期間による違い

休業補償と休業手当は支払い期間による違いもあります。休業補償は休業開始から4日目から始まり、休業が終了するまでの期間が対象です。つまり休業補償は休業してから3日以内は発生しない賃金なので、3日間はカウントされません。

仮に休業して7日目に仕事復帰をしたなら、休業していた4日間が休業補償の対象となります。平均賃金を計算して日当が8,000円となっているなら、その内の8割なので6,400円×4で25,600円が休業補償として得られます。

一方休業手当は会社の都合によって休業した日数により補償を得られます。会社が休業した日数に応じて平均賃金を得ることができるため、休業手当の法が期間としては分かりやすいです。ちなみに休業補償は1年6ヶ月を超えると補償年金に切り替わるため、休業補償から変更となってしまいます。

課税による違い

休業補償と休業手当では、課税の考え方に違いがあります。休業手当は会社から支払われる賃金として捉えられるため、雇用保険、健康保険、所得税、社会保健などの際は課税の対象となります。休業手当をもらった際はしっかり課税分の金額を計算して確定申告などの際に申告する必要があります。

一方、休業補償は同じく会社から支払われるお金ですが、賃金として区分されません。そのため、社会保健などの所得税の対象にはならないため、いくらお金をもらっても確定申告の対象になる事はありません。この点についての違いも覚えておきましょう。

休業補償と休業手当による違いの注意点とは

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休業補償と休業手当は、どちらも自分の収入を補助してくれる制度です。ただ、休業手当と休業補償を受けるためには違いを理解するのも大事ですが、注意点についてもしっかり理解しておくことが大事です。どのような点を確認しておくべきなのか紹介します。

休業補償の支給には制限も科されている

休業補償は仕事の最中にケガや病気をしてしまったときに賃金を受け取ることができますが、故意にケガや病気、死亡事故を起こした場合は30%の減額が適用されます。さらに、療養中に正当な理由がなく医師の指示に従わずに病気が悪化してしまい、療養が長引いてしまうなら休業補償1件に付き10日分の減額となってしまいます。

つまり、仕事中に故意に何かをしてケガや病気になってしまったときや医師の指示に背くなどして病気やケガを長引かせるような行動を取るなら、それは休業補償の減額対象となるため、やめておく必要があります。

また、休業補償の受給資格を持っていても、刑務所などの施設に入所することになれば支給を受けられないこともあるため、犯罪行為によるケガなどは絶対にやめておきましょう。

休業補償は有給休暇と同時取得はできない

休業補償を得てケガや病気の際の賃金取得を得ることができますが、有給休暇の適用による同時取得を得ることはできません。有給休暇が残っているなら「同時に適用したい」と考えるかもしれません。しかし、休業補償と有給休暇は賃金の二重取りになるため、どちらかを選ぶ必要があります。

もし、有給休暇を使い切らなくてはいけないなら、休業補償よりも有給休暇を選んだ方がお得です。休業補償は基礎賃金の80%しかもらうことできませんが、有給休暇は賃金の100%を支給してもらうことができるからです。

給与の金額を下げることなく賃金をもらいたいなら有給休暇を選んだ方がお得ですが、自分のケガや病気が早く治りそうであれば、有給休暇は別の機会に利用するため休業補償を選ぶこともできます。自分の状況に応じて有給休暇か休業補償のどちらかを選択しましょう。

アルバイトやパートも休暇補償を申請しよう

休業補償は正社員だけでなく、アルバイトやパートも会社側に請求することで支払われる制度です。正社員や契約社員であれば会社としっかり契約をしているため、ケガや病気をしたときは申請することは普通ですが、アルバイトやパートは労災などの保険の話を聞いていないため「適用されないと思う人もいるかもしれません。

しかし、企業は労働者の全てに労働保険の加入を義務付けているため、アルバイトやパートも申請することが可能です。企業によってはアルバイトやパートがケガをした際は休業補償の話をせずに賃金を支給しない、または労災を支払いたくないために退職を勧告することもあります。

しかし、労災隠しを行うことは労働基準法に違反するため、所轄の労働基準監督署に見つかった場合は罰金が科せられます。もし、業務上でケガや病気になったのに企業が休業補償をしてくれないなら、労働基準監督署に労災申請をすることにより、給付金を受け取ることが可能です。企業には適切な対応をしてもらうようにしましょう。

休業手当は不可抗力の場合は支払い義務が発生しない

会社の都合で休業してしまい、仕事ができなくなった際は休業手当を考えることができますが、不可抗力の場合は手当が適用されません。休業手当は「雇用者の責任に帰すべき事由によるもの」にと限られているため、会社ではなく外部から発生したことで休業になってしまったなら休業手当は受け取れません。

外部からの発生による事故は例えば、お店に車が突っ込んで営業ができない状態になることや災害によってお店が崩れてしまったときなどです。外部からの都合で会社が休業してしまうときは、有給休暇などを利用して賃金を確保する必要があります。

休業補償と休業手当の違いのまとめ

休業補償と休業手当は同じ補償でも支払い期間や金額、条件が異なります。自分がその状況になったときはどちらも申請することで適切な補償金額を得ることができるため、ぜひ内容を理解しておくようにしましょう。

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