企業の役員と執行役員の違いをそれぞれポイントを交えて解説

企業には様々な役職がありますが、その中で「役員」と「執行役員」の違いを理解できる方はどのくらいいるでしょうか?

「役員」と「執行役員」は似ているようで、それぞれの役割は全く違います。

そこで本記事では、企業の役員と執行役員の違いやそれぞれのポイントなどを徹底解説しました。

企業の役職のそれぞれの役割について詳しくなりたいと考えている人は、是非最後までご覧下さい。

役職の3つの種類

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企業には、役職を大きく3つの種類に分けることができます。

  • 会社法・商業登記法で定められた役職
  • 単なる社内外の敬称として用いられる役職
  • 法人税法で定められた役職

上記のような法律によって定められた役職があると覚えておきましょう。

役員とは

役員とは、会社が意思決定した重要な指針を決定する役割を担っています。

役員は主に3種類あるので、下記の箇条書きをご覧下さい。

  • 取締役→株式会社を立ち上げる際に、絶対に1人は用意しておく必要があります。
  • 監査役→株式を公開している会社であれば、準備する必要があります。言い換えると、株式を非公開にしている会社には監査役は必要ありません。
  • 会計参与→基本的には公認会計士や税理士などが担当する役割になります。

上記のように、会社によって用意しなければいけない役員の種類は異なるので、これから株式会社を立ち上げるのであれば、しっかりと確認しておきましょう。

執行役員とは

執行役員とは、役員が定めた会社の指針に合わせて実際に業務を実行していくという役割を担っています。

執行役員は主に7つの種類があるので、下記の箇条書きをご覧下さい。

  • 本部長
  • 事業部長
  • 部長
  • 次長
  • 課長
  • 係長
  • 主任

執行役員の役割の名称は会社によって異なります。例えば、チーフという名称が執行役員の立場になる企業もあるというような感じです。

このように、役員とは会社の重要な部分の意思決定を行う役割を担っていて、執行役員とは役員が決めた重要な意思決定に合わせて業務を遂行していくという役割を担っていると覚えておきましょう。

役員と執行役員の違い

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それでは、役員と執行役員の違いをまとめて解説していきます。

役割

先ほども紹介したように、役員は会社の重要な意思決定を行うことが大きな役割になります。

執行役員は従業員という立場なので、役員の意思決定に従って業務を遂行するのが役割です。

「役員」と「執行役員」は、担っている役割が全く異なると覚えておきましょう。

法律上の効力

役員は会社法で設置しなければいけないと定められている為、法律で効力のある役職と言えます。

また、法務局に登記を行なう必要があり、登記簿に名前が記載されるのという点も覚えておきましょう。

役員を変更する場合は登録免許税として1万円の費用が必要になるので、無闇に取締役を増やさないことをおすすめします。

一方で執行役員は、法律で設置が義務化されている訳ではないので、法律上の効力がありません。その為、法務局に登記するなどの必要はないのが特徴です。

法律で効力があるのは、「役員」だということを覚えておきましょう。

給料

役員は「役員報酬」として1年間の給料が固定され、金額の増減を行うことができません。

その為、どれだけ業績が良くなったとしても、役員は給料所得を増やすことができないのが現状です。

役員が業績に合わせて給料を決められるようになると、利益操作が起こってしまう為、これは仕方がないと言えるでしょう。

それに比べて、執行役員の給料は実績に合わせて変えていくことができます。ボーナスの金額も会社の業績に合わせて変えていけるのは、「役員」と「執行役員」の大きな違いと言えるでしょう。

立場

「役員」は、株式総会で選任されて、会社の経営を担当する立場になります。「執行役員」は、役員から雇用される立場である労働者です。

「役員」は会社を経営する立場で、「執行役員」は会社に雇用される立場であるというt違いを覚えておきましょう。

執行役員を設置するメリット

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今までの記事を読んで、役員は法律の関係で設置する必要がありますが、執行役員は絶対に必要ではないと知って頂けたでしょう。

そこで、そもそも執行役員を設置する意味があるのかという疑問を持つ人も多いはずです。

それでは、日本の企業の多くが設置している執行役員のメリットについて解説していきます。

役員の負担を減らせる

執行役員を設置して業務の運営を任せることで、役員は他のことに注力することができます。

もし執行役員を設置しなければ、業務の運営を責任する人がいなくなるので、役員が従業員のマネジメントも行わなければいけません。

少しでも役員の負担を減らしたいのであれば、執行役員の設置はやっておくべきだと言えるでしょう。

しっかりマネジメントできる

執行役員を設置することで従業員を全体的に見ることができるようになる為、マネジメントが簡単になります。

例えば、50人の従業員を1人の役員がマネジメントすると、1人で50人を見なければいけません。しかしながら、50人の従業員を5人の執行役員がマネジメントすると、1人で10人を見るというように負担を減らすことができます。

しっかりと従業員をマネジメントしなければ、業務のミスに気付かないなどのリスクが高くなるだけでなく、部下の人材育成もできない状態になりかねません。

しっかりと会社の業務を遂行する為にも、執行役員を設置してマネジメントができる体制を整えることが重要です。

社員もモチベーションを上げられる

執行役員という立場が設置されていると、その役職に昇進したいという意識が生まれ、社員のモチベーションを上げることが可能です。

社員のモチベーションを維持しなければ、会社を活性化させることができずに、徐々に業績が悪くなるというリスクがあります。

社員が仕事を真剣に取り組めるようにする為に、昇進を目指すという仕組みを作れる「執行役員の設置」は会社にとって大きなメリットと言えるはずです。

執行役員を設置するデメリット

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先ほどは執行役員を設置するメリットを解説しましたが、デメリットもあるので解説していきます。

人件費が高騰する

執行役員を設置することで、平社員だけの会社より人件費が高騰するというデメリットがあります。

もちろん、執行役員に任命した人材を平社員と同じ待遇にすることは可能です。

しかしながら、業務が増えるだけでなく責任が重くなる執行役員が、平社員と同じ待遇だと社員が昇進したいと思わないのは明白です。

仮に半強制的に平社員から執行役員に昇進させたとしても、今までと同じような責任感で仕事をしてしまうでしょう。

社員のモチベーションを維持する為にも、執行役員の待遇は良くしなければいけないので、必然的に人件費は高騰します。

役員と平社員の間が広がる

役員と平社員の中間地点に執行役員が入ることになるので、役員と平社員の間が広がってしまうというデメリットがあります。

基本的に役員の意思決定は執行役員に伝えられて、そこから平社員に情報が入ってくることになります。

その為、執行役員がしっかりと正しい情報を伝えなければ、平社員が役員の意図している通りに動かないなどのリスクがあると言えるでしょう。

また平社員が執行役員に不満を持っていても、役員に伝えるタイミングが生まれず、離職などが発生する可能性もあります。

会社に執行役員を設置するということは、役員と平社員に間ができるというデメリットがあると覚えておきましょう。

組織が複雑化する

執行役員の種類が多すぎると、組織が複雑化して意思決定が遅くなるなどのリスクが発生するので注意が必要です。

大企業であれば1つの判断が大惨事になるので執行役員の種類を増やして慎重に意思決定することも大切になります。

しかしながら、そこまで従業員が多くない中小企業にも拘らず、執行役員の種類を増やしてしまうと、無駄に組織が複雑化して最終的な意思決定を行う役員に情報が入るまでに多くの時間を費やしてしまうリスクがあるので注意が必要です。

組織を複雑化させない為にも、会社の規模に合わせて執行役員を設置することが大切になります。

執行役員を設置する際のポイント

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今までの記事を読んで、執行役員を設置した方が良いと感じている人も多いでしょう。

最後に、執行役員を設置する際に知っておくべきポイントを3つ紹介しておきます。

人事の評価制度を明確にする

執行役員になる為に必要な基準や昇進の条件など、評価制度を明確にしておきましょう。

評価制度が明確に定まっていなければ、平社員はどのように頑張れば昇進できるか判断することができません。

どのように頑張れば良いのか平社員に理解させる為にも、評価制度を明確にしておくことが大切になります。

役員と平社員が交流を持てる場を作る

執行役員を設置することで、役員と平社員に間ができてコミュニケーションを取れる機会が減り、平社員の意見を役員が把握するのが少し難しくなります。

その為、できるだけ役員と平社員が交流を持てる場を作っておくようにしましょう。

執行役員より平社員の方が人数は多くなるので、そこからの意見は会社を経営していく上で非常に大切になります。

ソフトバンクのような大きな企業だと難しいですが、平社員にも執行役員には伝えにくい意見があるはずなので、できるだけ役員と交流する場を作った方が良いと言えるでしょう。

執行役員の任期を決めておく

執行役員の任期を決めておくことで、会社内に競争構造を作ることができます。

例えば、執行役員の任期を1年に設定しておくと、平社員は1年後に昇進する為に努力を継続することができます。

もし執行役員の任期が決まっていないと、平社員はどれだけ頑張っても、いつ昇進できるのかイメージが湧きません。

それだけでなく、任期が無ければ執行役員になった従業員もモチベーションを維持するのが難しいです。任期を設定しておけば、執行役員の立場を維持できるように努力するモチベーションを維持することができます。

執行役員を設置するのであれば、任期を決めておくべきだと言えるでしょう。

役員と執行役員の違いの総括

本記事では、役員と執行役員の違いを解説していきました。

役員は法律で定められているので絶対に設置する必要がありますが、執行役員は法律で設置する義務がありません。

その為、中小企業の経営者で執行役員を設置するのか悩んでいる人も多いはずです。

本記事で紹介した執行役員を設置するメリット・デメリットを把握して、検討しましょう。

執行役員を設置するのであれば、会社の規模に合わせた人数を用意することが大切になります。

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