高齢者雇用が社会にもたらす効果とは

今では雇用者の選択も広がってきており、いろいろな人が働くことのできる時代となりました。若者はもちろん、高齢者の方も仕事を行う人が増えており、企業側も高齢者を雇用しているところは多くあります。

ただ、高齢の労働者が増えるなら、労働力について疑問を感じる人もいるでしょう。日本は高齢化社会とは言え、労働には体力や知識、スキルなども必要だからです。高齢者雇用が社会に与える効果やメリット、デメリットについて紹介します。

高齢者の雇用は増加し続けている

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日本の高齢者は65歳以上とされています。日本は少子高齢化社会となっているので、今は高齢者の人口も増えてきています。2019年の総務省統計局の発表では65歳以上で働く高齢者は892万人となっており、労働者の割合の約13%を占めている状態となっています。

就業率で見てみるなら65歳以上の高齢者は約25%が何かの仕事に従事している状況となっているため、4人に1人は働いている状態となっています。ちなみに高齢者を受けている企業の割合も約25%ほどであり、70歳以上でも企業は働けるように制度を作っているのは25%ほどとなっています。

つまり今は企業でも60歳で定年退職を行うことは減少しており、できれば70歳以上でも働いて欲しいと考えています。企業も労働力の確保のため、高齢者の雇用は今後も増加していくと予測できます。

高齢者雇用のメリットとは?

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今は企業でも高齢者雇用を行うことが増えていますが「メリットは何があるの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。高齢者雇用は企業側にも一定のメリットがあります。以下の内容をご覧ください。

従業員のスキル向上など育成効果を期待できる

高齢者雇用をする1つ目のメリットは従業員のスキル向上と人材育成があります。高齢者の方は企業に何十年も貢献してきた経験、また労働実績があるので仕事への経験や知識をたくさん持っています。

もし、管理職や係長、部長などのポストに就いていた経験があるなら、部下の指揮や育成のためのノウハウも知っているので、従業員の育成効果を期待できます。自社の従業員に知識をスキルの向上を狙うために企業も研修やセミナー開催などを考えることができますが、費用負担も大きくなるため、常に行うことができません。

しかし、高齢者で実績がある人を雇うことにより仕事をして生産性の向上を計画しつつ、若い世代の従業員にノウハウを身に付けてもらうことができるなら、会社全体の業績を向上する効果も期待できます。労働力の向上として高齢者を雇用するのは良いアイデアと言えます。

労働力不足を解消させることができる

高齢者雇用を行うなら、労働力不足を解消することができます。今の時代は企業では労働力を確保することが難しくなっています。新しい人を雇用しようとしても多くの企業が進出しており、ITの普及により仕事のジャンルも幅広くなってきました。

また、起業家やフリーランスなどスキルがある人は自分で仕事をする人も増えてきているため、逆に会社から優秀な人が抜けてしまうこともあります。そのため、高齢者を雇用して労働力を補うことができます。

実績や経験がある高齢者の方なら、重要なポストを任せることもできますし、自社で足りない部署や労働力所に補充して人員数を増やすこともできます。高齢者の中には仕事をしたい人も増えているため、企業は新卒や若い人だけでなく、高齢者雇用も考えてみることができるでしょう。

新しい人脈を得られる可能性もある

高齢者雇用を行うなら人脈を広げられるチャンスとなることもあります。高齢者の方で企業の重要なポストに就いていた人なら、いろいろな企業の人と交流している可能性があるからです。

重要なポストに就いていた人を雇用できる機会となれば、会社の取引先を増やすことや新たなビジネスに手を伸ばすことができます。優秀な若い従業員や新卒の方では人脈は広くなく、これから築いていく段階となるため、会社側がバックアップしなくてはならないこともあります。

しかし、高齢者であれば、会社側は引き合わせてもらえる立場になるため、サポートする必要がありません。企業の拡大を狙うなら、高齢者の雇用は大きなチャンスとなるでしょう。

別視点でアドバイスを得られることも

高齢者の方を雇用することで新しい視点を得られることもあります。企業としては、いろいろ価値観がある方が選択の幅が広がり、企業として成長していくことができます。

今では若い人の見方を取り入れようとして、若い層の労働力を取ることを重視する企業も多いですが、その見方が企業の活性化につながるとは断言できません。同じ世代の人ばかりであれば考え方が凝り固まってしまって見方や価値観が似てしまい、ビジネスの進歩とならないこともあるからです。

しかし高齢者を雇用することで同じ世代の人たちにはない見方や考え方を取り入れるようになれば、今まで気付かなかった部分にもフォーカスすることができ、企業としての見方を広げることが期待できます。企業はいろいろな年代層の方を雇用することで見方を広げて新しい価値観を生み出すことが期待できます。

助成金などをもらうことも可能

高齢者を雇用するなら企業は国から助成金をもらうことが可能です。国は高齢者雇用を推し進めているので、もし企業が高齢者が働ける環境づくりを行うなら資金提供してもらうことができます。

例えば、定年退職の廃止したなら最大で160万円の助成金を得ることが可能です。高齢者の働きやすい環境を作り助成金を得ることができれば企業の事業への投資や環境づくりの資金として利用できます。もちろん、高齢者を雇用するなら企業側も労働力の確保や活性化を期待できるため、助成金以外にもメリットを得られます。

企業はいろいろな取り組みをすることで国からの援助を受けることが可能ですが、高齢者のために企業の制度を整備することも良い方法と言えます。

高齢者雇用のデメリットとは?

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高齢者雇用を行うことで企業としてもメリットを得ることができますが、もちろんデメリットもあります。デメリットの内容を考慮してメリットとしっかり比較することが大事です。高齢者雇用のデメリットは以下のようになっています。

体力や体調面に不安を感じてしまう

高齢者雇用を行う点で1番のデメリットとなるのが体力と体調面です。高齢になるにつれて体力や体調、記憶力、判断力などはどうしても低下してしまいます。体力がない人であれば1日の労働時間も半日や1週間で2~3日の労働になることにが予想できます。

また、記憶力や判断力が低下しているなら、仕事で思わぬミスをしてしまう可能性もあり、仕事の効率化が悪くなってしまうことも懸念されます。もし急激な体調の悪化となるなら、仕事を休むことも増えてしまい予想した労働力とならない可能性も高いです。

高齢者の場合は若い人たちと同じように扱うというのは難しい部分もあるため、しっかり配慮を示して適切な労働環境を準備してあげることが大事です。

IT関係の対応が難しい可能性がある

高齢者の方を雇用するときはITに対応してもらうのが大きな障害となることがあります。今はPCで作業をすることは普通になっているので、最低限の操作を理解してもらう必要があります。

しかし、高齢者の場合はITを利用した経験がない方もおり、アナログなやり方が好きな方も多いです。そのため、PCの使い方から丁寧に教えなくてはならず、仕事が思うように進まないこともあります。

やり方を説明しても直ぐに忘れてしまうこともあり、配置や業務内容によっては他の従業員に迷惑をかけてしまうことも考えられます。

もちろん、今では高齢者の方でもスマートフォンを使用するなど、ITへの対応を行っている方も増えているので、作業説明をするなら問題なく業務に携われる人もいます。しかし、当たり前に「IT操作ができる」と考えておくのはやめておきましょう。

柔軟性に欠けてしまうことも

高齢者を雇用する際のデメリットは柔軟性が欠ける人もいることです。高齢者の方は仕事でいろいろな経験や実績を持っている人もいます。その方の場合、経験や実績を生かして業務を遂行してくれることに期待を持てます。

しかし、仕事の効率化や業務のやり方は日々進歩しているので、高齢者の経験や実績は作業が非効率なこともあります。しかし、キャリアや経験があるため、やり方を変えるように言っても今までのやり方に固執してしまい、作業ぺースが遅れてしまうこともあります。

経験や実績を持つことが逆に仕事を非効率にさせてしまうこともあるため、前もって業務のやり方をマニュアル化しておくなど、対策を講じておく必要があります。また、若い人と比較すると同じ作業でも作業が遅れてしまうことも考えられるので、しっかりフォローすることも必要です。

高齢者雇用を進めるための準備とは?

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人材確保や労働力を向上するために高齢者の雇用を考えることは大事です。ただ、高齢者の雇用を真剣に考えるならしっかり環境を整える必要があります。どのように高齢者雇用の準備を行うことができるのか内容を障害しましょう。

フレックス制や短時間勤務を推奨する

高齢者の方に最適に働いてもらうなら、短時間勤務やフレックス制を導入することが大事です。高齢者の体力や集中力などは長時間労働に耐えられないことが多いです。もし、高齢者の方で能力があったとしても、労働時間が8時間であり週に4~5日も出勤となると体力が継続できずに辞めてしまう可能性が高くなります。

そのため、労働時間を3~4時間までにしてもらうことや週に2~3日働いてもらえるようにするなど、労働時間を高齢者の方に合わせられるようにすべきです。もし、勤務時間を選ぶことができるなら、体力に自信がない高齢者の方も働きやすくなり、多くの労働力を得られる可能性があります。企業の発展のために柔軟性のある勤務形態を整えましょう。

スキルやノウハウを提供できるように業務を整える

企業は高齢者の経験や実績など、培った知識やスキルを最大限に活かすことができるようにすべきです。従業員の仕事の正当性や成果を正しく評価することができれば、モチベーションアップにつながるので業務効率もアップして高齢者の方も仕事継続しやすくなります。

成果を正しく評価するために、例えば業務の終わりに報告書を書いて提出してもらうことができます。業務の成果内容を提出することで、どれだけの仕事を行ったのか確認でき、良い成績を残せた人にはボーナスなどを渡すことができます。

高齢者の方も正当な評価をしてくれるなら、自分の持っている経験を最大限に活用することを考えますし、新たな取り組みにチャレンジしてくれる期待も高まります。高齢者を含めて全従業員がモチベーションを上げて成功するように制度を整えましょう。

高齢者雇用のまとめ

高齢者雇用にはメリットとデメリットがありますが、準備をしっかりすることでメリットを大きくすることができます。労働者の確保を行うことはとても大事なことと言えるので、ぜひ高齢者雇用にも目を向けて制度を整えるようにしてください。

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