役職定年とは?その制度がある理由

会社で役職を与えられている人の中で、「役職定年制」と「役職任期制」の2つのどちらかの契約をしている人は多いはずです。

しかしながら、「役職定年制」と「役職任期制」の契約について、詳しく理解している人は少ないでしょう。

そこで本記事では、「役職定年制」の基本的な紹介から、制度が存在する理由を解説しました。それだけでなく、よく比較される「役職任期制」との違いについても紹介しています。

既に会社で役職を与えられている人や、これから会社で役職を与えられる重要な立場に昇進したいと考えている人は、是非最後までご覧下さい。

役職定年って何?

役職定年とは、企業で定められた年齢を役職の任期として設定する制度になります。

企業が定めた年齢を超えると役職として働くことができなくなる為、退職か役職の無い平社員に戻ることが一般的です。

その為、若い頃から役職が付いていて良い待遇を受けていたとしても、役職定年制で定められた年齢を越えれば、大きく待遇が変わり減給などの可能性も十分に考えられます。

どれだけ良い実績・成果を残していたとしても、定められた年齢を超えると平社員に戻らなければいけないのは、役職定年制の大きなデメリットと言えるでしょう。

そもそも役職定年制度が用意されている理由は?

役職定年制度が用意されている理由は、人件費が高騰することによる企業の経営状態が悪化するリスクを抑える為です。

1986年に「高齢者等の雇用の安定等に関する法律」が定められたことによって、定年の年齢が55歳から60歳に引き上げられました。

定年が5歳引き上げられたことによって、企業は5年間も高齢の役職のある人材を雇わなければいけなくなり、「役職定年制度」が用意されたという背景があります。

役職定年制度が用意されたことによって、高齢者を役職のある状態で定年まで雇用する必要がなくなり、人件費を抑えられるようになりました。

もちろん、定年の年齢が高くなったことによって雇い続ける期間が長くなったのは、デメリットと感じる企業も多いでしょう。しかしながら、役職まで上り詰める実績・経験のある人材を、平社員と同じ待遇で雇えるのは企業の大きなメリットになります。

役職定年制度の4つのメリット

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それでは、役職定年制度のメリットを4つ紹介していきます。

企業内の世代交代ができる

役職定年があることによって、会社が高齢化することを防いで、若手を台頭させられる世代交代を行うことが可能です。

昔から働いている人材を過度に優遇して、役職に上げるといった人事体制が取られている企業も多いでしょう。しかしながら、そのような人事体制は若手のモチベーション維持や人材育成が難しい環境になります。

これから長く企業を存続させていく為には、企業内の世代交代は絶対に必要です。

役職定年制度を用意しておけば、一定の年齢になれば役職を変えていくことができるので、世代交代を行いやすい環境だと言えます。

優秀な人材を安く雇える

役職になれるほどの実績・経験がある人材を、定年の年齢を迎えれば平社員と同じ待遇で雇えるのは企業にとって大きなメリットになります。

また、優秀な人材を定年後に雇い続けることで、新しい役職のある若手の育成を行うことが可能です。

役職が多くなると人件費が高くなり会社の経営状況が悪くなる可能性がありますが、役職定年制度を定めておけば、優秀な人材を安く雇うことができるというメリットが企業側にあると覚えておきましょう。

また働く側にとっても、年齢的に転職が難しいにも拘らず、一定の待遇で雇用を継続できるのはメリットになります。

若手のモチベーションが上がる

役職が定期的に変わることによって、従業員のモチベーションが上がり会社の雰囲気を活性化させることができます。

最近は実力主義の企業が少しづつ増えてきていますが、いまだに年功序列で、若手がどれだけ頑張っても勤続年数が多い人が役職を与えられる企業は多いです。

若手のモチベーションを上げるには、頑張ったらしっかりと待遇が良くなるという状態にしておかなければいけません。

役職定年制度であれば、定期的に役職者を変えることができるので、しっかり働いて結果を残している若手が昇進させることが可能です。

若手のモチベーション維持に悩んでいるのであれば、役職定年制度を導入して従業員の競争原理を働かせるのも選択肢の1つと言えるでしょう。

定期的に社員を正当に評価できる

役職定年制度を導入したとしても、しっかりと評価できる体制が整っていなければ、全く意味があります。

どのような部分を評価対象に入れて役職の基準にするのかを従業員に提示することで、どのように頑張れば役職になれるのかを理解させることが可能です。

役職定年制度の2つのデメリット

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先ほどは役職定年制度のメリットを3つ紹介しましたが、デメリットもあるので2つ解説していきます。

役職の定年を迎えた後の意欲低下

役職定年制度があると、役職者は定年を迎えた後にモチベーションを維持するのが一気に難しくなります。

実績・経験があるにも拘らず、年齢だけで待遇が平社員レベルに戻ることに不満を抱える人は多いようです。

しかしながら、多くの企業が定めている役職定年の55歳から転職して成功する可能性は決して高くありません。人材不足の介護・飲食業界などであれば可能ですが、収入が低い傾向があり、新しく仕事を覚える必要があります。

その為、55歳という年齢で慣れている仕事をして一定の収入を得られるのであれば、役職定年制度はそこまで悪い制度ではないと言えるでしょう。

役職者の意欲の低下

そもそも、役職者になった段階で年齢というゴールが定められているので、そこで意欲が低下する人も少なくありません。

年齢まで役職を継続できる状態にしていると意欲低下の原因になるので、役職定年制度を用意するのであれば、一定の成果を出さないと役職から離れるなどのノルマを設定しておく必要があります。

役職に上り詰めるまで必死に仕事をして一気にモチベーションが低くなるというリスクを抑える為に、役職に昇進した後も一定の成果を出させる為の施策を準備しておきましょう。

役職定年制度と比較される「役職任期制度」は?

役職任期制度とは、一定の任期を定めて従業員を役職に昇進させる制度です。

役職定年制度に比べて頻繁に従業員が変わるので、社内の競争を激化させられるというおきなメリットがあります。

しかしながら、社内の競争に敗れることになれば、リストラや異動など厳しい現実に追い込まれる可能性も0ではありません。

役職任期制度は、営業職など数字で勝負できる厳しい業界で採用されていることが多いです。

仕事に自信があって成果を出せると思っているのであれば、役職任期制度が用意されている会社に入社して、若手時代から役職を与えられる立場を目指すのも良いでしょう。

「役職定年制度」と「役職任期制度」はどっちが良いの?

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多くの企業が採用している「役職定年制度」と「役職任期制度」ですが、どっちが良いというのは個人の考え方によって異なります。

そこで、「役職定年制度」をおすすめする人と、「役職任期制度」をおすすめする人に分けて解説していきます。

「役職定年制度」をおすすめする人①:安定思考

役職定年制度だと、役職になれば基本的に定年まで良い待遇で働くことができます。

また、定年の年齢になって役職から離れたとしても、平社員の待遇ではありますが雇用を継続できる可能性が高いです。

役職として良い待遇を受けて、定年を迎えても仕事に困らないで一定の収入を得たいという安定思考を持っている人は、役職定年制度をおすすめします。

「役職定年制度」をおすすめする人②:1つの職場で働きたい

1つの職場で長く働きたいと考えている人は、役職定年制度のある企業をおすすめします。

基本的に、役職定年制度を導入している企業の多くは、勤続年数などによって役職が決まっているので、1つの職場で長く働く考えを持っている人は、必然的に役職に上がることが可能です。

転職を繰り返す予定がある人は、役職定年制度を導入している企業では役職になって良い待遇を受けることが難しいので、あまりおすすめしません、

「役職任期制度」をおすすめする人①:実力主義の世界で勝負したい

役職任期制度は、短期間で役職が変わるという特徴があり、実績を出せば若手でも役職になることができます。

その為、仕事で結果を出せる自信があって実力主義の世界で勝負をしたいと考えている人には非常におすすめです。

しかしながら、実力主義なので成果が出なければ待遇は悪く、最悪の場合はリストラや異動などのリスクもあります。

本当に自分に自信のある仕事であれば挑戦する価値がありますが、無策で勉強もしないで実力主義の世界で勝負をするのは非常にリスクが大きいと言えるでしょう。

「役職任期制度」をおすすめする人②:努力を継続できる

先ほども紹介したように、役職任期制度は短期間で役職が変わるので、継続的に努力をして結果を出していないと、簡単に平社員に戻ってしまう可能性があります。

「役職定年制度」は、役職になれば基本的には定年まで平社員に戻るということはありません。

結果を出し続けなければ簡単に平社員に戻ってしまう「役職任期制度」は。努力を継続できる人におすすめします。

役職定年制度についてのまとめ

本記事では、「役職定年制度」の内容や制度が用意された理由、「役職定年制度」との比較や双方のメリット・デメリットを徹底解説しました。

役職定年制度は若手時代から役職に昇進するのは難しいですが、しっかりと勤続年数を積み重ねていけば、老後まで安定した生活をすることができます。

その為、安定思考を持っている人や、1つの職場で長く働く予定の人には非常におすすめの制度です。

実力で判断されたいと考えているのであれば「役職任期制度」、ある程度の安定した生活をしたいのであれば「役職定年制度」をおすすめします。

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