【面接対策】オンライン面接のコツと大切なコト

みなさんの職場で行っているオンライン面接は「欲しい人材を採用するツール」になっていますか?
オンライン面接を導入した企業へのアンケートでは「相手のキャラクターがわからない」「単純にやりづらい」「できれば社内見学もしてもらいたい」と多くの悩みがあります。

しかし、オンライン面接の簡易性を重視した結果、約70%以上の企業が「今後も積極的に継続する」と答えています。
つまり、面接者にとって課題の多いオンライン面接は今後も続きます。
オンライン面接を「欲しい人材を採用するツール」にするためには、みなさんの抱えている悩みを早急に解決する必要があります。

そこで、今回は「対面面接とオンライン面接の違い」と「オンライン面接で面接者が心がけるポイント」をご紹介し、みなさんの悩みを解決していきます。

1.オンライン面接と対面面接の違い

online_1

①オンライン面接と対面面接の決定的な違いは「印象の質」

オンライン面接は印象の質が下がり、人の記憶に残りづらくなります。
オンライン面接は画面上の平面で捉え、対面面接は実像の立体で捉えます。

平面(2D)になってしまうことで対象の印象が残りづらくなり、2Dは情報量が少ないので対象への興味が湧きづらいことも発表されています。
例えば、山から見下ろした景色を「写真」と「その場」で見た時、どちらが印象に残りやすいでしょうか。
「写真」はただ単に視覚から得られた「キレイ」という感想だけです。
反対に、「その場」では視覚の他に聴覚、触覚、嗅覚が働きます。鳥や虫の声、太陽の光のあたたかさや風の圧、草や木の香りなど、無意識に多くの印象が残ります。

つまり、2Dのオンライン面接は3Dの対面面接より使われる感覚が限定されるので、「印象の質」が下がります。これは面接者と求職者の双方に言えます。
面接者は自社を選んでもらうため、求職者は採用してもらうため、お互いに「印象を残すための努力」や「興味を掻き立てる何か」が必要になります 

次に、オンライン面接にしたことで生じるメリットとデメリットを面接官と求職者の立場に分けてさらに理解を深めていきます。 

②オンライン面接の面接者と求職者のメリットとデメリット

 面接者と求職者のメリットの共通点は「時間」です。
また、デメリットの共通点は「視覚情報が限定されること」です。つまり、オンライン面接は「時間を有効的に使えるが、得られる情報が少なくなる」ということです。さらに詳しく説明していきます。

②-1 面接者のメリット「スケジュール調整しやすい」

 対面面接のスケジュール調整は難航します。
それは全員が「一つの場所」に集合する必要があるからです。
面接担当者は参加者全員のスケジュールを確認し、候補日を挙げ、それを全員に連絡し、決定するといった大変な手間があります。

単純な作業にも思えますが、全員からすぐ連絡が来るわけではないので時間もかかります。
その手間がある中で、面接者の中には「役職だからいるだけ」で参加する必要性がない人間もいます。
オンライン面接ではネット環境と媒体が揃っていれば「一つの場所」に集まらなくてもいいので、スケジュール調整をしやすいといったメリットが生まれます。

②-2 求職者のメリット「移動する必要がない」「事前準備したカンペをみられる」

求職者の最大のメリットは「移動する必要がない」です。
前述した「一つの場所」に集まるためには天候や移動手段の選定、不慮の事故など、不安要素があります。
家から参加できることで「忘れ物」があっても安心して対応できます。

他にも「カンペをみることができる」といったケースもあります。「面接者に気付かれずにカンペをみる方法」など、ネット上で発信されています。
もちろん、すべての求職者が行っているわけではありませんが、自己PRや志望動機、退職理由など、準備できるような質問は意味をなさなくなっていることも懸念されます。

②-3 面接者のデメリット「求職者を確認できる範囲が狭い(胸部から顔まで)」

オンライン面接では確認できる範囲が狭くなります。
これが求職者から得られる情報を少なくしてしまい、面接者は無意識に興味が湧かない状況になります。
また、外見の細かい所(爪や靴下の色など)で求職者の内面を判断する面接者にとってはとても不利です。
この対策として、オンライン面接であっても「身だしなみチェック」を行うのが有効です。

②-4求職者のデメリット「職場の雰囲気がわからない」

求職者にとって職場の雰囲気を感じることは大切です。
2015年の就活学生へのアンケートで「職場を選ぶ際に重視する点」の第3位に「職場の雰囲気」が挙がりました。
どの業種でも人間関係による問題は絶えず、多くの人が悩まされます。
職場にいる上司や先輩など、全体的な雰囲気がみられないのは就職する上で不安要素となります。

③オンライン面接は今までの無駄を省く好機

online_2

以上のように、オンライン面接に変わったことで面接の「質」は低下したものの、「時間と手間」が省けました。
今まで「頭の片隅で無駄と感じていた考え」が風化しつつあったところ、オンライン面接がその無駄を省く起爆剤となっています。つまり、オンライン面接は無駄を省くための好機と考えるべきです。

そこで、オンライン面接の「強み」を伸ばし、「弱み」をカバーする必要があります。
オンライン面接の強みは「無駄を省く」であり、弱みは「質が低い」です。

この強みと弱みを高める方法が「相手の本質を探る質問」です。
つまり、一般的な答えを求める質問はあらかじめ考えられており、本心ではないことが多いです。
特に、自己PRや志望動機、前職の退職理由などは必ず用意している質問なので、時間をかけないようにしましょう。
また、以上の3点の質問は面接前にデータで送ってもらい、面接者が事前に確認し、質問を考えておくことで質問の質を高めることができます。

ここまで「オンライン面接と対面面接の違い」と「オンライン面接のメリットとデメリット」について説明しました。
双方の決定的な違いは「印象の質」であり、特にオンライン面接は相手に印象を残しづらい特徴があります。
しかし、オンライン面接は今までの無駄を省く好機です。
オンライン面接の弱みである「面接の質」を向上させるためには対面面接とは違う「心がけ」が必要になります。

2.オンライン面接で面接者が心がける3つのポイント

online_3

最後にオンライン面接で面接者が心がけるポイントを3つご紹介します。

①対面面接の形式を引き継ぐ必要はなく、別物と捉える

多くの企業がオンライン面接に対して悩みを抱えています。
その要因はオンライン面接に対面面接の形式を引き継いでしまっているからです。
つまり、対面面接とオンライン面接は別物と捉えることが重要です。

オンライン面接は効率を重視した取り組みです。
無駄を省くためには定型的になった質問を止めてみましょう。
面接の平均時間は30分から1時間と言われています。

この限られた時間で求職者が用意している可能性の高い答えを「口頭で確認する意図」はありますか。
オンライン面接では視覚で確認できる範囲が狭いため、細かい仕草は見えません。
求職者に想定されている質問をしたことで得られるのは求職者の「記憶力」だけです。

その記憶力もカンペが用意できるオンライン面接では疑わしいものになります。
つまり、オンライン面接を別物と捉え、今までの定型を崩すことが重要になります。

②「仕事」で有益な人材はIQ(知能)ではなくEQ(心の知能)

「欲しい人材像」は明確になっていますか。多くの方が「仕事ができる人」と答えます。
しかし、その答えは数値化できません。仕事ができる人材とはどんな人材でしょうか。
数値化できるIQ値をみることも可能ですが、仕事において必要な能力はIQではなくEQです。

EQとは、ピーター・サロベイ博士とニューハンプシャー大学教授のジョン・メイヤー博士によって提唱された理論です。
ビジネス社会で成功した人は「自分の感情の状態を把握し、それを上手に管理・調整するだけでなく、他者の感情の状態を知覚する能力に長けている。」という研究結果を発表しました。

コミュニケーションに長けている人材はクライアントなど社外との関係もうまく維持調整することができます。
また、社内でも多くの協力者を得ることができるため、結果的にハイ・パフォーマーとしての成果を生み出せます。

社会に出て痛感することが、仕事に要求される能力は、記憶力や計算能力ではありません。
前述のコミュニケーション能力に加え、理解力や思考力、分析力、表現力、発想力、企画力、調整力などが求められます。
つまり、オンライン面接で記憶力を確認できたとしても、その能力は仕事ができる人材とは判断できません。

「欲しい人材」は記憶量ではなく、状況に適した記憶を引き出して使えることです。
記憶量があってもそれを使えなければ意味がありません。
記憶量の多い人材は問題の答えが限りなく一つに近いときに役立ちます。
しかし、仕事において答えが限りなく一つに近い問題はほとんどありません。
情報化した社会では調べればわかる情報を覚えているだけでは価値はありません。数ある選択肢の中から正解に近い答えを持ってくる能力が重要です。

以上のことから、視覚情報が少ないオンライン面接において、求職者の仕事の能力を判断するためには定型的な質問を止め、「質問の質」を高めることが重要であると裏付けられます。

③トリッキーな質問がEQをみるカギになる

質問の質を高め、相手のEQをみるための方法は「相手が答えづらい質問」をすることです。答えづらい質問で「その場をうまく乗り切る能力」をみましょう。

質問のネタを「自社の自虐」にするとさらに難易度が上がります。
例えば、「何でもいいので当社の改善すべき点はありますか?」、「あなたは数ある企業の中から当社を選んで面接に来てくれましたが、他の人が当社を選ばない理由は何か考えられますか?」、「(面接者の中から一人を指定して)第一印象で、この面接者の長所と短所を予想して言ってみてください。」という質問です。

これらは相手を傷つけないような配慮が必要です。
また、核心を突き、相手を納得させなければなりません。
つまり、答えづらい質問することで質問の質を上げ、求職者のEQをみることができます。

脳神経生理学者の久保田競も脳科学的視点から「仕事に必要な能力」を分析した研究結果があります。
EQで挙げられた能力は脳の「前頭前野」という部位が司っており、ヒトの司令塔の役割を担っています。
そして、記憶を司っているのは「側頭葉」という部位です。また、IQ(知能)は前頭前野の働きをほとんど反映していないという結果があります。

つまり、IQ値が高くても、前頭前野は関与していないのでEQが優れているとは言えません。
オンライン面接で見るべきは「記憶」や「IQ」ではなく、EQです。

答えのない質問は答えるのが難しいですが、求職者の考え方や人への配慮の仕方など、対人関係に重要な要素を多く含んでいます。
トリッキーな質問で求職者の本心を探ってみましょう。

まとめ

今回は「オンライン面接と対面面接の違い」と「オンライン面接で面接者が心がけるポイント」について説明しました。

オンライン面接は対面面接とは別物です。
今まで対面面接でやっていた定型を崩すところから始めましょう。

自己PRや志望動機、退職理由など、誰もが想定し、用意された答えの中にヒトの本心はほとんどありません。
例に挙げた「トリッキーな質問」には求職者のEQをみるための要素がたくさん含まれています。
是非、試してみてください。

そして、今後はオンライン面接が主軸になることが考えられます。
やるからには意味のあるものにし、今やっていることの問題点をさぐり、繰り返しの問題提起と改善を繰り返すことが重要になります。
企業側も職場を選んでもらうために「普通ではない取り組み」が必要になります。

無駄を省き、本当に必要なことを追及していくことで求職者にも気付きを与え、貴社に興味を持たせることができます。
そして、オンライン面接がより利便性の高い「欲しい人材を採用するツール」になっていきます。

■参考文献
・900社に聞く!「オンライン面接」実態調査―『エンゲージ』アンケート―
・EQ検査、資格公認事業のEQグローバルアライアンス
・「脳の仕組みと働き」脳力=頭の良さとは?―ある心理学者と脳神経生理学者の説を比較 
・平面画像と立体画像の記憶成績の差異
・就活で重視する条件6選|新社会人が仕事を選ぶ際に基準として決めておくべき譲れないポイント

0