新型コロナウイルス感染拡大によって、人と人とのふれあいが少なくなり、将来の不安や日常の悩みなどを直接話すことができる機会が無くなってしまいました。
今までは日常の雑談などで発散していたストレスも、巣ごもり生活が続いてしまうことによって、限界まで溜め込んでしまっているという方も多いのではないでしょうか。
ストレスが溜まりに溜まってしまうと、ふとした瞬間に「生きている意味はないんじゃないか」と考えてしまう時があります。
今までは気にしていなかったSNSなどの誹謗中傷などによって、深く傷ついてしまい自殺という最悪の選択肢を選んでしまう人もいるのがストレスの怖いところです。
そこで本記事では「自殺を考えた時にするべきこと」として、最悪の選択肢を選ばないための対策について詳しく解説していきます。
五月病の正体は「適応障害」です。適応障害とは「人間関係や環境に適応できないために生じる強いストレスが原因で発症する鬱の前段階」です。医学的に五月病という病名は存在しません。五月病という言葉を流行らせたのは心理学者の望月守氏と言われています[…]
コロナウイルスによって自殺者数が増加傾向にある
警察庁と厚生労働省の発表によると、2020年の自殺者数は前年度と比べて750人増えた20919人でした。
【警察庁令和3年度の自殺者数について】URL:https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/jisatsu.html
ここ10年は自殺者数が減少傾向にありましたが、リーマンショックという社会情勢が大きく変化した年ぶりに増加に転じたのが2020年の大きな変化です。
2020年に何が起きたかを振り返ってみると、自殺者数の増加は、やはり新型コロナウイルス感染拡大が大きな原因となっていることが間違いないでしょう。
自治体による自粛要請や外出を控える動きが社会的に起きており、なかなか他の人と接する機会がなかったのが2020年の特徴になります。
誰にも何も相談できる環境がないまま最悪の選択を選んでしまうことになりかねない現在の社会状況では、「自殺」が頭によぎった時にすべきことを予め対策として知っておくべきです。
自殺を考えた時にするべきこと
自殺という最悪の選択肢が頭によぎった時に、いったい私たちは何をすべきなのでしょうか。
まずは誰かに相談
自殺というのはほとんどの場合において、ふとした瞬間に頭によぎる衝動です。
実際に厚生労働省が調査したデータによると、自殺を考えた時に誰かに相談していたかという質問に対して、約2割の人しか相談を行っていないという結果が出ています。
【厚生労働省 自殺対策に関する意識調査】
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/ishikichousa.html
つまり自殺をしようとした人のほとんどの場合で、家族や友人と行った近しい人に対しても相談することなく突然行動に移すのです。
日本人の約2%が自殺をしようかと考えたことがあると言われています。
しかし自殺というのはとてもエネルギーがいる行為であり、ほとんどの場合において恐怖に負け「やっぱりやめよう」と考え日常生活に戻って行くのです。
ふとした瞬間に「自殺をしようか」と考えてしまった時は、まずは誰かに相談することから始めましょう。
誰かに相談するということは自殺の一番の薬
ここまで紹介してきた通り、実は日本人の100人に2人は自殺を考えたことがある計算になります。
多くの人を襲う自殺衝動ですが、実は瞬間的なものであり約5分から30分ほどでその衝動が治っていくと言われているのです。
そのためほとんどの人が自殺を考えたとしても思いとどまり、我に帰ります。
この5分から30分の間に「誰かに相談する」ということが、かなり効果的になってくるのです。
人に話をすることによって自殺衝動を抑えることができ、最悪の選択を選ぶことを防ぐことができます。
もし万が一自殺をしようと考えた時には、5分から30分誰かに相談して話すことによって、気を紛らわせましょう。
誰も相談する人がいないという人は、 「いのちの電話 こころの健康相談統一ダイヤル TEL0570-064-556」や「東京自殺防止センター 03-5286-9090」などに電話をかけることをおすすめします。
生活環境を整える
実は自殺衝動というのは脳内ホルモンの物質が低下したことによる一時的なものであるというのはご存知でしょうか。
例えば、イライラした時やお腹がすいた時に脳内ホルモンによって様々な反応が肉体に起こるように、自殺衝動というのも脳内ホルモンの影響によって生じるものなのです。
自殺衝動をもたらすような脳内ホルモンの低下は、主に以下のようなことが原因で生じます。
- 睡眠不足
- 運動不足
- 日光を浴びていないこと
- 過度のアルコール摂取
ライフスタイルによってはどうしようもない点もありますが、適度な睡眠と運動というのは不足してしまうと自殺を考えてしまうほどの影響をもたらします。
そのため突然自殺を考えるようになってしまったら、まずは生活環境を整える事から始めてみましょう。
例えば、あなたが毎日過ごしている自分の部屋は綺麗な状態を保っているでしょうか。
生活リズムなどが崩れてしまいストレスが溜まると、掃除を怠りゴミや汚れなどが部屋に溜まってしまい煩雑した環境になってしまいます。
いつもは綺麗だった自分の部屋が、徐々に汚くなるのはわかりやすい「危険な信号」です。
ライフスタイルに合わせたできる限りの規則正しい生活を心がけて、自分の部屋の状況などをしっかりと認識できるようにしておきましょう。
自殺を考えてしまった時にアルコールは厳禁
アルコールというのは嗜む程度であれば問題ありませんが、過度に摂取してしまうと判断能力を鈍らせてしまうものになります。
実際厚生労働省が発表している日本の自殺者の調査によると、自殺者のおよそ3割がアルコールを摂取した状態で発見されているというデータが存在するのです。
自殺衝動は5分から30分ほどでなくなっていくというのは上記でも紹介しましたが、アルコールを摂取してしまうと判断能力が鈍ってしまいはずみで自殺、という最悪の選択肢を選んでしまいかねません。
仕事のストレスや人間関係の悩みなどでお酒に逃げることは簡単ですが、お酒に殺されてしまうという結果にもつながってしまうので注意が必要です。
日常生活でふとした瞬間に自殺を考えてしまう精神状態の時は、できるだけお酒などから離れて生活環境を整えることから再スタートしましょう。
自殺を考えた時に踏みとどまるには
今回は自殺を考えた時にするべきことについて詳しく解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- 自殺衝動は5分から30分ほどで過ぎ去っていくもの
- 生活環境が乱れてしまうと自殺につながる可能性が高い
- 判断能力を鈍らせるアルコールの摂取は心が弱っている時は厳禁
自殺を考えた時にはまず誰かに相談することから始めて、衝動が過ぎ去ったら生活環境を整えるなどすることが効果的です。
日常生活でふとした瞬間に自殺を考えてしまうような精神状態の時は、お酒に逃げるなどはせずに、しっかりと食事をして睡眠をとり、適度に汗を流す運動を行ってみましょう。
そうすることで最悪の選択肢を選ぶことを防ぎ、また日常生活に戻っていくことができますよ。