地方自治体という単語は知っているにも拘らず、何をしているのか知らない人は多いでしょう。
そこで本記事では、地方自治体について徹底解説しました。
この記事を読むことで、地方自治体について詳しくない人でも、どのようなことを行なっているのか知ることができます。
地方自治体に興味を持っている人や、詳しく知りたいという人は是非最後まで御覧下さい。
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地方自治体とは
地方自治体とは、日本の都道府県や市町村を統括する行政機関で、「地方公共団体」と呼ばれる場合もあります。
国とは違う法人格を持っているのが特徴で、地方によって行なっている活動などは異なると覚えておきましょう。
地方自治体の制度は1868年から始まったと言われていて、現在までに何度も制度が改変されています。現在は1947年に制定された「地方自治法」を基にして運営を行なっています。
地方自治体の種類2選
地方自治体は大きく「普通地方公共団体」と「特別地方公共団体」に分けられます。
それぞれに特徴があるので、順に解説していきます。
普通地方公共団体とは
普通地方公共団体とは、都道府県と市町村の2つに分けられています。
都道府県に関しては、それぞれに属する市町村を統括していると覚えておきましょう。
市町村は細かく3つに分けられているので、下記の箇条書きで簡単に解説しました。
・政令指定都市→人口50万人以上の市の中で政令で指定されている都市
・中核市→人口20万人以上の市の申し出に基づいて政令で指定された都市
・施行時特例市→平成27年4月1日に特例市制度が廃止された時点で特例市だった都市
上記に当てはまる地方の公共団体は、「普通地方公共団体」になります。そのため、現在の日本の地方公共団体の大半が「普通地方公共団体」だと覚えておきましょう。
特別地方公共団体とは
特別地方公共団体とは、特定の目的のために設置された地方公共団体になります。普通地方公共団体以外の法人であると覚えておきましょう。
・特別区→市に準ずる地方公共団体を指し、現在は東京都のしかない
・財産区→市町村合併が行われた場合に、元々の市町村が所有していた土地や財産を新市町村に引き継がず、旧市町村で管理を行う団体。法人格を所有している。
・地方開発事業部→複数の普通地方公共団体が共同で設置。公園や緑地などの開発を計画的に行うための組織ですが、現在は新設できない状況になっていて、青森県にある「青森県新産業都市建設事業団」のみになっている。
地方公共団体が行なっていること
それでは、地方公共団体が行なっていることを3つの視点で解説していきます。
これから紹介する3つのことを把握して、地方公共団体が行なっていることを理解しましょう。
地域の人に対して行政サービスの提供
地方公共団体は、管轄内の地域の人に対して行政のサービスを提供する役割を担っています。
・国や他の地方自治体との役割分担
・自治体の運営方針の決議
・市民の税金の確認や催促
・まちづくりの推進
・社会福祉の提供
上記のような行政サービスを提供して、地域の人々の生活をサポートしているのが地方公共団体です。
地方自治体の存在意義は「そこに住む人々の生活を支えること」と定義されています。
地域に属する企業へのサポート
地方を活性化させるためには経済を回す必要があるので、地方公共団体は企業へのサポートにも力を入れています。
補助金の提供が一般的なサポートになりますが、他にも雇用支援などを行なっている地方自治体があるようです。
雇用を増やすことによって地域に住む住民を増やすことができれば、地方自治体に入る税金が増えて様々な活動をすることができるようになります。
地方の地域は住民が少なく税金が入ってこないので、なかなか予算の必要な活動を行うことができません。その結果、住民の満足度が下がって、他の地域に行ってしまうという事例は多いです。
少しでも地域に住民を残して税金を多く得る為に、地方公共団体は企業のサポートを行なっていると覚えておきましょう。
地域のアピール
地域を活性化させるには、住民だけでなく外部からも人を呼び込んで経済を回さなければいけません。
外部の人を多く呼び寄せるには自分たちの地域が良い場所だと知らせないといけないので、地域のアピールに力を入れている地方自治体も多いです。
また魅力的な地域だとアピールすることができれば、少しづつ移住を希望する人も増えて、最終的には住民を増やすことができます。
「観光スポットして多くの人を呼び込む」「魅力的な地域だとアピールして移住希望者を増やす」という2つの目標のために、地域のアピールを行なっている地方自治体は多いです。
地方自治体の注意するべきポイント
今までの記事を読んで、地方自治体について詳しく知って頂いた方も多いでしょう。
最後に、地方自治体でよく勘違いされるポイントを2つ解説していきます。
地方自治体という名称は法律上は存在しない
「地方自治体」という単語は世間でも多く利用されていますが、法律上は存在しない言葉になっています。
法律上は「地方公共団体」という単語が利用されているので注意しておきましょう。
そのため、「地方自治体」と「地方公共団体」は同じ意味だと覚えておいて下さい。
地方自治体によって力を入れていることが違う
地方自治体は全て同じ作業や業務を行なっているという印象を持っている人も多いですが、大きな勘違いなので注意しましょう。
地方自治体によって、力を入れている内容や活動は大きく異なります。
例えば少子高齢化が課題になっている地域であれば、子供を産んだ際の手当などに力を入れているケースが多いです。他にも住民の移住が問題になっている地域は、移住を止めるための対策を行います。
地域によって課題が異なりやるべきことも変わってくるので、地方自治体によって力を入れていることは違うと覚えておきましょう。
引っ越しの際に地方自治体がやっていることを確認する
先ほど紹介したように、それぞれの地方自治体によってやっていることは大きく異なるので、引っ越しする前に確認しておくようにしましょう。
立地などだけで引っ越しを選ぶ人も多いですが、自治体が提供しているサービスによって住みやすさは大きく変わります。
何をやっているのか、どのようなサポートを受けられるのかは、地方自治体のホームページを見れば確認できるのでチェックしておくことをおすすめします。
またネットで情報を得る際の注意点ですが、ネット記事などだと最新の情報ではない可能性があるので、必ず公式のホームページを確認して下さい。
公式のホームページに書かれている内容が少し難しくて分からないのであれば、お問い合わせするようにしましょう。
地方自治体を利用するタイミング
基本的には、住民の多くは地方自治体を利用する機会はありません。
そのため、本当に存在価値があるのか疑問を持っている人も存在するはずです。
そこで、住民がどのようなタイミングで地方自治体を利用するのか解説していきます。
補助金を申請するとき
法人や個人で地域の補助金制度を申請する場合は、「地方公共団体」を利用することになります。
補助金の申請方法は地方公共団体によって異なりますが、基本的には必要な書類を提出して審査を受けるだけです。
複雑な作業などは必要ないので、補助金を受けられる規定をクリアしているのであれば、地方公共団体を利用して申請するようにしましょう。
地方自治体が提供しているサービスを利用するとき
地方自治体が提供しているサービスを利用する際も、「地方自治体」を利用することになります。
例えば、子供が生まれた時に報酬を得られる地方自治体であれば、出産のタイミングで地方自治体に出産した証拠となる書類を提出することで、報酬を得ることが可能です。
他にも地方自治体によって様々なサービスを提供しているので、利用する際は申請などの作業が必要になると覚えておきましょう。
まとめ
本記事では、地方自治体について徹底解説しました。
地方自治体は「そこに住む人々の生活を支えること」という存在意義を基に、住民が住みやすい地域になるように努力しています。
また地域が活性化するように、アピール活動などを行なっていて、少しでも多くの住民を移住させるように努力しているようです。
特に地方は、納められる税金が少なく活動やサポートが限られるので、都会に住民が移住するという問題を抱えています。このような問題を解決するために、地方の地方自治体がどのような対策を行うのか注目です。
これから引っ越しをするのであれば、自分が住む予定の地域の地方自治体がどのような活動やサポートを行なっているのか確認してみましょう。