企業には、いろいろな立場があります。企業として利益を上げ、作業を指示するために立場はわけられており、それぞれの役割を行っていく必要があります。その中で管理職と言われる立場もあり。良く耳にすることでしょう。
ただ「管理職とは、どのような作業を行うのか？」「必要な能力や資質には何があるのか？」と疑問を感じることもあるでしょう。管理職において身につけるべきスキルや、一般社員とどういった点が違うのかなど解説します。
管理職と一般社員との違いとは？
管理職と一般社員では、どのような部分が違うのか知っておきたいでしょう。管理職は一般社員よりも経営の近い立場となっているため、組織の責任を任されます。会社の設定する目標の達成や経営目標の貢献、部下の動機付けや成長支援などがあるため、現場視点というよりは組織視点での仕事が求められます。
また、自分の部署内でどの目標を立てるべきなのか、部下をどう配置するのか、など自分の権限で決定できることも多いです。裁量が大きくて、会社組織の一員としてより近く働くことになるため、責任も大きくなります。この点が一般社員と管理職の大きな違いと言えるでしょう。
管理者が求められる成果とは？
会社には管理職と言われるポジションがありますが、どのような働きを行うのか知っておくことが大事です。管理職に求められるものには何があるのか、知っておくなら応じたスキルの必要性を認識できるでしょう。以下のような成果を管理職は期待されています。
組織の定めた目標達成
管理職は経営目標をもとに、自部署の目標を定めて達成することを求められています。そのため、目標は自分の所属している部署によって違うため、同じことを行うわけではありません。
例えば、営業であれば、商品の売上向上によるノルマ達成のために、部下の育成や営業によるマニュアル作成など、達成するためのプロセスについて考えます。カスタマーセンターなら解約率の低下単価の向上、経営部であればコスト削減のために目標値を定めて、どのような無駄遣いがあるのかなどを調査して対策を立てることができるでしょう。
組織上の目標を達成して組織全体のパフォーマンス向上させることができたなら、会社の業績もアップすることにつながるため、管理職の1つの仕事と言えます。
部下のスキルやパフォーマンス向上を行う
部下のパフォーマンス向上を考えることも、管理職の重要な責務です。部下の能力やスキルが向上するなら成果も出しやすくなることや、業務効率が上がることも期待できるため、大事な役割と言えます。
パフォーマンス向上として、例えば部下に業務のノウハウを直接指示してやり方や方法について指導すること、また部下の相談に乗りながらアドバイスをすること、個々の強みを伸ばせるようにプロジェクトへ部下をアサインすることができます。
管理職の場合は部下の育成についても会社から期待されている部分があるため、部署にいる従業員の能力を把握して対策を考える必要があるでしょう。
組織全体のエンゲージメントの向上
管理職であれば、組織全体のエンゲージメントの向上も考える必要があります。エンゲージメントは、部下にとって居心地が良くて働きがいのある組織を作ることです。例えば、部署にいる従業員の気持ちを理解するために、1対1でミーティングをして相談に乗ることができます。
また、部下のモチベーションをアップさせるために、会社での作業について前向きな点をフィードバックすることなどができるでしょう。会社の活気や成果を出すことは、従業員のモチベーションによって大きく変わってきます。居心地が悪ければ、離職率も上がる可能性があるため、しっかり対策を立てるようにしてください。
経営層の考え方の浸透と組織内の課題の解決
経営層の考え方を、現場にも浸透させるようにすることは管理職の役割です。経営層は会社の業績アップや方向性を決定して全体に指示しますが、現場とは距離があるため従業員に正しく理解されないこともあるでしょう。
現場で働くのは従業員なので、管理職が上層部と現場の橋渡し役として戦略や企業理念を噛み砕き、部下に伝えることが大事です。考えや方向性を浸透させるには、自分も内容を理解しておかなければいけないので、その点を確認しておき、一体感を達成させることができるようにしましょう。
また、組織内では毎日課題もあるため、解決することがで対策を立てることも大事な役割です。例えば、取引先とのトラブルや顧客からのクレーム、コンプライアンスによる問題、部下のメンタルヘルスなどがあります。課題は迅速に解決しなくてはいけないこともあるため、問題に向き合って実行するようにしましょう。
管理職に求められる能力やスキルには何があるのか？
管理職は部下と上層部の橋渡しや部署内のことをまとめる作業があり、責任が生じます。そのため、しっかりスキルを身に付けて、作業を効率よく行っていくことが大事です。どのような能力を持っておくのがいいのか以下をご覧ください。
経営者視点の問題を解決する能力
管理職の場合は人や物、お金を管理する役割でもあり、そのプロセスの中で問題が発生することがあるでしょう。問題が発生した場合は個人最適だけでなく、全体最適で人員配置を計画することや、経営目標から逆算して組織の目的や考えを把握することも必要であり、真摯に取り組む姿勢は大事なスキルです。
もし、目的遂行の際に問題が発生して、誰かに押し付けるようなことを取ること、または問題の本質を見抜く力が無い場合は管理職の重圧に押し潰されることもあるため、仕事が難しく感じるでしょう。
また、問題解決を部下に押し付けるようなら、部署内での信頼を得ることもできません。会社の問題解決を行う際に大事になるのは、どのプロセスで発生して原因が何かを把握する分析力なので、スキルを磨くようにしましょう。
業務遂行力
会社で働いているなら、部署ごとに目標が与えられるでしょう。目標を達成することで会社の業績を上げることができるため、しっかり管理職は目標達成を行えるように、計画を立てることが大事です。計画を立てる際も部署内にいる部下や遂行の際にかかる費用、情報など、あらゆる分野に目を通して行うことが大事です。
その点を考え手計画を作成できたなら、部署内の部下に目標と遂行の仕方について、スムーズに伝えることができるでしょう。業務遂行のためには、分かりやすく伝えるための能力や効率化を考える能力などが必要になってきます。それぞれのスキルは日々の業務の中で意識していると身に付けることもできる能力です。チーム運営で必要なので、意識してください。
コミュニケーション能力
管理職は部署内の部下と話す場面や、上層部の人と対面する機会もあるため、コミュニケーション能力がより求められます。例えば、会社から目標が与えられたときや課題解決などを伝えられたときは、具体的な内容を理解するため、質問するなど話し合いが必要になります。
また、部下に業務遂行を伝えるときも適切なコミュニケーションを取って、部署の従業員全体が意思疎通できている状態にしなくてはいけません。他にもクライアントとの関係構築や他部署の管理職との対話など、場面に応じて適切なコミュニケーションを行うことも大事です。
そのため、いろいろな状況でより丁寧な対応や分かりやすく説明する話し方など、コミュニケーションの質が求められるでしょう。さらに、今ではWeb会議やチャットツールのように、電子的な方法でコミュニケーションをとることも増えています。
そのため、ツールの使用方法や選択なども、しっかり確認しておくことが大事です。コミュニケーションについても、あらゆる分野でしっかりスキルを構築していくことができるようにしましょう。
部下を育成する能力
管理職の場合は、部下を育成する能力も求められます。管理職は部署のことを任せられており、部下に指示を出すだけではなく、しっかり育成して優秀な従業員にすることも大事です。部下の育成のためには、まず個々の適性や能力、性格などを把握することが大事です。
能力や適性を把握できれば、どのように長所を伸ばしていくことができるか、どんな作業だと効率性が向上するのか考えることができます。個々の適性を見抜いて適材適所に配置することができるなら、部署の行政をアップさせることにつながる可能性も高く、能力を伸ばすアシストにもなるでしょう。
ただ、個々によって業務を理解するまでのスピードや成長スピードにも違いがあります。そのため、時には辛抱強く部下に接する必要もあることを覚えておきましょう。
リーダーシップを取る
管理職の場合は、リーダーシップを取るスキルも必要になるでしょう。管理職の場合は目標に向かって部下をまとめることや、1人1人の能力を把握してパフォーマンスを引き上げることが必要です。もし、部署内の部下が違う方向を向いて作業しているようなら、業績低下になることもあります。
そのため、強いリーダーシップを取って、部下を引き連れて行くことが大事です。リーダーシップを見せるときは自分が引っ張ていく姿を見せる必要があるため、業務についての説明をしっかり行うことや作業で順調にいかない場合はサポートをすることなど、あらゆる場面で頼りにできる姿を見せましょう。
ただ、強引に引っ張り過ぎると部下からの引かれることがあるため、抑える場面と引っ張る状況のバランスを考えることが重要です。
部下のモチベーションを向上させる
部下のモチベーションを向上させるスキルも必要です。部下の作業に対するモチベーションが上がるなら、効率性や労働力の向上につながるため、より良い効果を引き出すことができるでしょう。部下のモチベーションを向上させるには、フィードバックの能力やコーチングの能力などが必要になるでしょう。
フィードバックの能力が高いなら例えば、部下に分かりやすく評価を伝えることができ、その際にどの部分を改善させれば良いのか上手く話せます。伝え方によって部下のやる気は大きく変わるため、フィードバックの際は積極的な内容となるように意識することが大事です。
また、コーチング能力も対話をして部下の自発的な行動を促すことができるため、モチベーション向上につながります。これらのスキルを意識してモチベーション向上となるようにしてください。
管理職として能力を伸ばすために行えること
管理職の場合は責任が大きいため、しっかり能力を伸ばすことやスキルを身に付けることが大事です。ただ「どのように向上させることができるの？」と疑問も感じるでしょう。管理職の能力向上として以下のことが行えます。
先輩や上司などからアドバイスを得る
管理職として能力を伸ばすためには、他の人から学習することも有効な手段となります。社内で一定の成果を収めている管理職の方がいるなら、その方からアドバイスをもらうこともできます。また、元管理職で働いている上司の方や同僚がいるなら、相談に乗ってもらうこともできるでしょう。管理職として適切なアドバイスをもらうことで能力を伸ばすきっかけになるでしょう。
研修やトレーニングを受ける
管理職向けの研修やトレーニングを受けるなら、必要なスキルについて訓練されます。必要な能力について一通り教えてもらえれば、後は実際の現場で応用していくことで発揮することができます。管理職の研修は会社側が開催することもあれば、外部のものを利用することもできるため、考えてみましょう。
管理職としてスキルや能力を伸ばそう
会社の管理職というポジションは責任も大きいですが、その分やりがいを感じることもできます。いろいろなスキルや能力も必要になるため、まずは自分が欲しいスキルを身に付けるように努力することが大事です。ぜひ、良い管理職になれるようにしましょう。
