現在会社の社長をしている人で、どのような出費であれば経費として計上できるのか疑問を抱いている人は多いでしょう。
経費は節税対策を行う上で非常に重要なポイントで、しっかりと把握しなければ大きな損失になる可能性があります。
そこで本記事では、会社の経費になるものを徹底解説しました。
それだけでなく、会社の経費になるのか怪しいグレーゾーンの出費や、会社の経費で注意するべきポイントについてもまとめています。
そもそも経費って何?
まだ会社を立ち上げて間もない社長は、経費について理解できていない場合もあるでしょう。
経費とは、事業に関連する出費です。例えば、営業のためにタクシーを使った場合は、タクシー代を経費として計上できます。
また、経費は節税対策に大きな効果を発揮すると覚えておきましょう。
例えば1000万円の売上があった場合、経費を計上しなければ1000万円が税金の対象となります。しかしながら、1000万円の売上から5000万円を経費に計上すれば、500万円だけが税金の対象となるので、支払う税金を抑えることが可能です。
多くの企業は税金を抑えるために経費を上手く利用しているので、これから経営をしていく社長は絶対に把握しておくべきポイントになります。
会社の経費になるものは?
それでは、実際にどのような出費が経費として利用できるのか解説していきます。
家賃・水道光熱費
事業を継続する上で利用している物件の家賃・水道光熱費などは、経費として計上することが可能です。
ここでポイントですが、事務所を借りていなくて自宅で作業している場合も、家賃・水道光熱費を計上できます。
例えば家の面積の半分を事業で利用している場合は、家賃の5割を経費計上することが可能です。
これから物件を借りて事業をする人も、自宅で作業をする人も、家賃・水道光熱費は経費計上するようにしましょう。
消耗品
事業に必要な消耗品に関しても、経費として計上することが可能です。
例えばコピー機のインクやトイレペーパーなどは、消耗品として経費計上できます。
接待交際費
事業に関連するクライアント様と接待を行う際に発生する出費は、経費として計上できます。
例えば案件の打ち合わせの為に喫茶店を利用した場合、その出費は経費として計上することが可能です。
自動車
自動車も法人の名義で契約している場合は、維持費などを経費計上することが可能です。
注意点としては、自動車などの高額商品は経費計上する際に「減価償却」で計算します。
減価償却とは購入金額を数年に分けて経費計上していく仕組みです。少し計算が複雑なので、購入する際は事前にどのように経費計上できるのか確認しておきましょう。
税金
一部の税金に関しても、経費として計上することが可能です。
経費にできる税金に関しては、下記をご覧ください。
- 事業税
- 固定資産税
- 消費税
- 自動車税
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 印紙税
主に経費に計上できる税金は上記ですが、他にも経費に計上できる税金はあるので、税理士に相談してみることをおすすめします。
旅費交通費
出張などで発生する出費に関しては、旅費交通費として経費計上することができます。
例えば北海道のクライアントと顔合わせをする為に発生した飛行機代などは、旅費交通費として計上することが可能です。
他にも、タクシーなどで打ち合わせ現場に移動する場合も、旅費交通費として経費計上できます。
通信費
携帯やWi-Fiなどの利用料は、通信費として計上できます。
注意点としては、携帯やWi-Fiがプライベートと仕事で一緒に利用している場合は、家事按分で計算される為、全額を経費計上することはできません。
あくまで事業で利用している分だけなので、通信費の50%などが経費計上されることが一般的です。
給料・ボーナス
従業員を雇っている場合は、支払った給料・ボーナスなどを経費計上できます。
他にも従業員の為の福利厚生などで発生する出費も、経費計上することが可能です。
外注費
会社に関連する業務を外注する場合は、外注費として経費計上できます。
例えば会社のホームページを作りたいとなった際に、自社にプログラミングの技術を持っている人がいなければ、外注しなければ制作できません。
業務を外注で依頼する場合、しっかりと経費計上できるので安心して下さい。また、外注先から貰った領収書や請求書などはしっかりと保管しておきましょう。
会社の経費のグレーゾーンは?
今までは会社の経費にすることができる出費を紹介しました。
しかしながら、会社の経費として扱えるのか怪しい出費もあります。
そこで、会社の経費にできるのか怪しいグレーゾーンの出費について解説していきます。
接待交際費
接待交際費の中に、クライアントではなくプライベートで遊びに行った出費を経費計上している人は注意して下さい。
税務署から調査が入って細かく調べられた場合、事業と関係ない出費と判断されれば、接待交際費として計上できない可能性があります。
また明らかに不正に経費計上している場合は、追徴課税や罰金などのリスクも0ではありません。
接待交際費は、事業に関連するクライアントなどと発生した飲食代などで計上しましょう。
高額な雑費
雑費があまりにも高額な場合は、経費として認められない可能性があります。
基本的に雑費は金額が少額で普段は発生しない経費です。
例えば、ハイブランドの10万円の名刺入れを購入した場合、雑費で計上しても認められる可能性は低くなります。なぜなら、それだけ高額な商品でなくても事業に影響が出ないためです。
よくある事例ですが、高額な出費を雑費に計上したことで、どのような出費が発生しているのか判断できない損益計算書になり、税務署から調査されるというケースは少なくありません。
基本的に雑費でしか計上できないものは、できるだけ安く済ませるということが大切です。
旅費交通費
旅費交通費に関しても、事業に関連しているのかどうかという点で、経費に参入できるのか非常に怪しくなります。
もちろんプライベートで行った旅行を経費として計上するのは不可能です。
よくあるパターンですが、出張先で事業に関連する仕事が終わっているにもかかわらず、滞在して旅行を楽しみ経費として計上するというケースもあります。
しかしながら、出張目的で行ったとしても旅行として楽しんでいる分の出費は経費として計上できません。
そのような場合は、事業に関連する出費以外は、経費として計上しないようにしましょう。
家事按分
家事按分は、経費計上する際に最も注意しなければいけないポイントです。
あまりにも経費計上する比率を上げると、税務署から調査される対象になります。
どれくらいであれば経費計上できるのか、事前に税理士などに相談しておきましょう。
会社規模に見合わない出費
会社の規模に見合わない出費に関しても、経費として計上できないケースがあります。
広告費などであれば、事業を拡大するために現状の会社の規模に合わない出費が発生する可能性もあるので経費計上することが可能です。
しかしながら、接待交際費などが会社の売上に対して経費の割合が大きすぎる場合、プライベートの出費も含まれていると判断される場合があります。
例えば売上1000万円の会社が、接待交際費で300万円を計上していたら、税務署の捜査対象になる可能性は高いです。
しっかりと会社の規模に合わせた額で経費計上するようにしましょう。
会社の経費で注意するべきポイント
最後に、会社の経費で注意するべきポイントについてまとめておきます。
証拠を残しておく
会社に関連する出費だとしても、税務署から疑われる可能性があるため、しっかりと証拠を残しておくことが大切になります。
例えばクライアントと会食に行ったのであれば、誰とどこで何の目的で会食をしたのか領収書などに書いておきましょう。
最終的に経費で落ちるかの判断は税務署が行うので、証拠を残して納得させる必要があります。
税理士に相談する
経費などについて分からないことがあるのであれば、事前に税理士に相談することをおすすめします。
税理士に相談することで、どのような出費であれば経費として落とせるのか意見を聞くことが可能です。それだけでなく、経費以外の節税対策についてもアドバイスを受けることができます。
税金周りの不安があるのであれば、税理士に相談した方が安全だと言えるでしょう。
税務署に税金の相談をする人がいますが、あまりおすすめしません。理由は、税務署は税金を納めてほしいと考えているので、あまり節税などのアドバイスを受けることができない為です。
少し出費が発生しますが、節税対策などを適切に行う為にも、税務署に相談することをおすすめします。
とりあえず領収書は保管する
とりあえず何かしらの出費が発生する場合は、領収書を保管するようにしましょう。
自分が経費として落ちないと思っていた出費でも、実は経費計上できる場合があります。
経費に計上できる出費を判断できないのであれば、とりあえず領収書を全て保管しておいて、後は税理士に相談しましょう。
悪質な場合は罰金が発生
経費は節税対策を行う上で非常に重要なポイントになりますが、悪質にやりすぎると追徴課税や罰金を支払わなければいけなくなる可能性があります。
例えば、プライベートの旅行を全て経費に計上して発覚した場合などは、追徴課税や罰金を請求されるケースがあります。
悪質な節税対策をすると必要以上に税金を支払わなければならなくなるので、許容される範囲で対策を行うようにしましょう。
まとめ
本記事では、会社の経費になるものや会社の経費になるのか怪しいグレーゾーンの出費、会社の経費で注意するべきポイントについてもまとめています。
会社の経費は節税するために絶対に利用した方が良いですが、多くの人は理解できていません。
あくまで経費として計上することができるのは、会社の事業に関係する出費のみです。そのため、プライベートの出費は経費計上できないと覚えておきましょう。
また、通信費や家賃など私生活と仕事で出費が一緒になっている場合は、家事按分で計算されます。どれくらいの出費を家事按分で経費計上できるのか疑問なのであれば、税理士などに相談するようにしましょう。