「民間企業から公務員へ転職できる?」
「公務員への転職を成功させるにはどうすれば良い?」
現在民間企業に勤務していて不満に感じ、公務員への転職に興味を持っている方もいるでしょう。
公務員は収入が安定しているなど様々な魅力がありますが、公務員試験をクリアする必要もあり、難易度が高いのが事実です。
スムーズに民間企業から公務員へ転職するには、ポイントや注意点を把握しておくことが大切です。
本記事では、民間企業から公務員へ転職するために必要な条件などについて詳しく解説します。
公務員は「安定」ではありません。公務員は「国民の税収の変動」で雇用や給料に影響を受けるからです。公務員にとっての「収益」は国民が支払う税金です。つまり、その国民の「数」や「収入」の増減が公務員の今後を左右します。「少子高齢化」「医療費・社[…]
国家公務員と地方公務員の違いを把握しよう
公務員は、「個人の利益よりも公共のための貢献」がスタンスとなっています。
やりがいはありますが、責任の重い仕事も多いですし、手本となる行動を求められる重要な立場です。
公務員と一口に言っても、国家公務員と地方公務員があり、業務内容や就職先が異なります。
人の役に立ちたいという向上心のある方におすすめです。
まずは、国家公務員と地方公務員の違いを把握しておきましょう。
国家公務員
国家公務員は、国の行政を支える立場となります。
行政職の場合、国の運営に直接関与するので、責任ある仕事を求められます。
仕事内容も多くなりがちなので、残業が発生する可能性があるでしょう。
また、職種にもよりますが、地方公務員と比較して転勤が発生しやすいです。
なお、国家公務員は、通常、30歳までが年齢要件として設定されているケースが多いです。
年齢要件を満たせば、地方公務員から国家公務員への転職も可能です。
地方公務員
地方公務員は、地域の行政を担う立場で、主に県庁や市役所などで採用されます。
地方公務員は地方行政への関与がメインなので、国家公務員と比較すると規模は小さめです。
とはいえ、地域に密着し、幅広い業務を行えます。
また、地方公務員は残業が比較的少ないですし転勤も発生しにくいので、働きやすいと感じる方が多いです。
地方公務員の受験資格は自治体にもよりますが、通常、33~35歳に設定されています。
転職したい方は、早めにチャレンジすることをおすすめします。
公務員の特徴
公務員には、民間企業と異なる特徴があります。
国や地方自治体が雇い主ということもあり、様々なメリットがあるのです。
公務員の特徴について解説しますので、ぜひ、参考にしてみてください。
利益を求めない
公務員は利益を求めないというスタンスが特徴です。
民間企業の場合は「業績を上げる」「売り上げを上げる」など、成果を出すことを求められるでしょう。
一方、公務員は利益を得ることではなく、社会への貢献がメインとなります。
業務内容の幅が広い
公務員は業務内容の幅が広いのが特徴です。
民間企業は、基本的に業務内容がある程度定まっているケースが多いです。
一方、公務員は様々な部署に配属され、幅広い業務に関与します。
福利厚生が充実している
公務員は、福利厚生が充実している傾向にあります。
「有給休暇を取得しやすい」「育児休暇を取得できる」など、福利厚生に満足する方が多いです。
また、国や地方自治体の業務なので、倒産や失業などのリスクがありません。
報酬・退職金が安定しているのも働きやすさのポイントです。
研修制度が充実している
公務員は研修制度が充実しており、成長しやすい環境が整っている傾向にあります。
たとえば、「国家公務員として海外留学制度を利用できた」「資格取得をサポートしてもらえた」などの例があります。
公務員は、国や地方の将来を担う立場なので、教育に力を入れているのです。
民間企業で勤務継続するのはリスクがある?
現在、民間企業に勤務しており、満足していない方もいるでしょう。
民間企業は利益を追求するため、「ノルマがあってきつい」「待遇が悪い」など、不満に感じがちなのです。
別の待遇の良い企業に転職したとしても、民間企業は利益の追求がベースにあります。
そこで選択肢の1つとなるのが、公務員への転職です。
公務員は利益を追求しないので、ノルマなどの利益に関連するストレスはありません。
また、育児休暇などの福利厚生も充実しているので、長期間安定して働きたい方にもおすすめです。
現職に満足している場合は問題ないですが、「長期間安定した環境で働きたい」という方は、公務員への転職を検討してみるのも良いでしょう。
公務員へ転職する際の注意点
民間企業から公務員へ転職するのは容易ではありません。
計画的に進める必要があります。
公務員へ転職する際の注意点を解説しますので、ぜひチェックしてみてください。
年齢制限がある
公務員試験は年齢制限が設けられているので、注意が必要です。
一般枠と民間経験者枠で年齢要件が異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
特に一般枠は30歳までと設定されているケースが多いです。
タイミングを逃すと、受験資格がなくなる可能性があるでしょう。
また、民間経験者枠は職務経験を重視するので一般枠よりも年齢上限は高めですが、タイミングを逃さないようにする必要があります。
年齢要件を満たさずに公務員試験の受験資格がなくならないよう、早めにチェックしておきましょう。
公務員試験対策が負担になる
民間企業から公務員へ転職する場合、公務員試験対策の時間を確保する必要があります。
というのも、公務員試験は難易度が高いので、対策が不十分な場合通過できないのです。
「残業が多くて試験対策をする時間がない」「仕事と家事に追われている」など負担に感じるケースも多いです。
民間企業に勤務しながら公務員試験を目指す場合、試験対策時間を確保できるかあらかじめ確認しておきましょう。
場合によっては、家族の協力も必要です。
また、通信講座などを利用し、試験対策の負担を減らすなどの工夫もできます。
民間企業から公務員への転職に成功するポイント
民間企業から公務員へ転職するのは、大きなイベントとなります。
軽い気持ちで転職活動に踏み切ると、「莫大な時間をかけたのに転職できなかった」「思うような業務内容ではなかった」などと後悔する可能性があります。
民間企業から公務員への転職に成功するには、ポイントを押さえておくことが大切です。
公務員への転職を検討している方は、ぜひ、チェックしてみてください。
希望条件に優先順位をつける
民間企業から公務員への転職を検討する場合、希望条件に優先順位をつけることが大切です。
というのも、公務員にはメリット・デメリットがあります。
たとえば、公務員には「福利厚生が充実している」「収入が安定する」などのメリットがある反面、「仕事内容が単調になることがある」などのデメリットもあるのです。
まず、自分が働く際に重視することを書き出し、優先順位をつけましょう。
譲れない条件を明確にすることで、自ずと公務員へ転職すべきか判断できます。
目指している公務員の業務内容・労働環境を把握する
公務員への転職を決断したら、目指している公務員の業務内容・労働環境について情報収集しましょう。
公務員の業務内容に関しては、民間企業と比較し口コミなどの投稿が少ないので、情報を得られにくいと感じる方が多いです。
転職後のミスマッチを防ぐには、職場見学をして現場の雰囲気や声を確認するのがおすすめです。
職場見学により「公務員の労働環境を把握できた」「転勤事情などを確認できた」など、有益な情報を得られる可能性があります。
公務員への転職には、多大な労力がかかります。
理想通りの転職ができずに後悔するのを防げるようあらかじめ公務員の業務内容・労働環境を確認しておきましょう。
現職を続けた状態で公務員試験対策をする
公務員になるには難易度の高い公務員試験をクリアする必要があるため、公務員へ転職する際は可能であれば現職を続けた状態で対策することをおすすめします。
また、公務員は収入が安定していることもあり人気が高く倍率が高いので、必ずしも転職に成功するとは限りません。
内定をもらう前に現職を退職すると、焦りにつながります。
落ちついて公務員試験の対策ができるよう、現職を続けた状態で対策をしましょう。
公務員になるには公務員試験への合格が必須
公務員になるには公務員試験に合格しなければなりません。
公務員試験では、「一次試験」と「二次試験」が実施されます。
公務員試験の受験機会は、学歴や職歴にかかわらず公平です。
規定の条件を満たせば受験できるので、書類審査などは行われません。
公務員試験には、大きく分けて以下の2つの枠があります。
- 一般枠
- 民間経験者採用枠
それぞれの枠で、受験資格が異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
一般枠
公務員試験の受験資格は、自治体により異なります。
一般枠は、通常、以下の要件を満たせば受験できるケースが多いです。
- 年齢
- 国籍
- 身体
- 資格
とくに行政職の場合、試験内容も大卒程度であり学歴や職歴は問わない自治体が多いので、比較的チャレンジしやすいでしょう。
一般枠の公務員試験
一般枠の公務員試験では、通常、筆記試験と面接が実施されます。
一次試験である筆記試験終了後、二次試験として面接が複数回行われます。
通常、一般枠の公務員試験における筆記試験では以下が実施されるケースが多いです。
- 教養試験
- 専門試験
- 論文試験
筆記試験は対策時間の確保が必要となることを把握しておきましょう。
教養試験では文章理解や数的処理などの一般的なスキルや、社会科学、人文科学、自然科学、時事といった一般知識を求められます。
一方、専門試験では大学卒業レベルの知識が必要となるでしょう。
自治体や公務員試験の種類によって試験内容が異なるので、あらかじめ確認が必要です。
なお、論文試験では自分の考えや論理的な文章が求められます。
採用枠は多いので、しっかり対策しておけば、合格できる可能性は十分にあるでしょう。
民間経験者枠
一般枠は年齢要件がメインになりますが、民間経験枠では通常、「業務従事年数」が問われます。
とはいえ、正社員としてのみならず、パート・アルバイトとしての業務従事年数をカウントできる自治体もあるので、比較的要件を満たしやすいです。
自治体によって求められる要件が異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
民間経験枠の公務員試験
民間経験枠の公務員試験では、通常、筆記試験と面接が実施されます。
筆記試験が一次試験、面接が二次試験の位置づけとなります。
民間経験枠では「業務経験を活かすこと」が重視されるので、論文や面接でアピールすることが大切です。
専門科目試験はなく、論文などを採用している自治体が多いので、試験勉強が負担になりにくいです。
ただし、定員枠が少ないので難易度が高いでしょう。
まとめ
公務員には「収入が安定している」「ノルマなどのストレスがない」など様々なメリットがあり、民間企業からの転職を検討する方もいます。
公務員になるには、公務員試験に合格する必要があります。
公務員試験には一般枠と民間経験者枠があるので、年齢や職歴など様々な点から自分に有利な方を選ぶことが大切です。
たとえば、試験対策時間を十分に確保できるのであれば一般枠を、職務経験に自信がある場合は民間経験者枠を選ぶなど工夫しましょう。
なお、公務員試験は年齢がネックとなるので、早めに確認し、計画的に対策しましょう。