人生100年時代に向けた働き方と考え方

厚生労働省の調査によると、令和元年の100歳以上のお年寄りは71,274人です。 もはや、人生100年時代ともいわれ、90代の元気なお年寄りも珍しくない時代となりました。

そんな超高齢化社会では、幸せな老後を送るために、平均寿命よりも健康寿命(元気に自立した生活のできる寿命)が注目され始めました。

しかし、健康寿命は延びたものの、「年金は当てにならない」、「何をすればよいかわからない」では、定年後の先の長い第二の人生は、不安な辛い老後になってしまいます。

そんなことにならないよう、この記事では、定年後も幸せな老後を送るためにはどうしたら良いのか、働き方・考え方について考えてみようと思います。

定年退職後のキャリアや働き方の多少性を考えてみよう


(1)働き方改革で、会社の再雇用の椅子が少なくなった?

政府が推し進める「働き方改革」は、「残業せずに早く帰って、たくさん有給とってくださいね」というものです。

2019年4月から一斉に始まった政府の働き方改革関連法案には、新しい働き方の制度を守らないと罰則規定もある厳しい制度です。
そのため、企業は働き方改革関連法案を守るのに必死です。

しかし、企業は社員等(パート・アルバイト・契約社員・嘱託社員を含む)にお給料を支払わないといけませんので、会社としての利益も今まで通りあげていかないといけません。
そのため企業は、「さあ、合理的に働いて下さいね。そうでないと会社潰れちゃうから」 という社員等のお尻を叩いて、会社の利益を維持しなければならなくなりました。

一見とっても現実離れした制度のように見えますが、泣いても喚いても政府が押し出した法律ですから、施行された以上どうにもなりません。
そこで泣いてもしょうがないので、プラスに考えてこの苦難を乗り越えていくしかないのです。

そして企業は生き残るための対策を模索しています。
会社の生き残りも重要ですが、その会社でリストラされずに社員の方も生き残りを考えなければなりません。
とくに定年後の再雇用の椅子を勝ち取るには、合理的に仕事をこなして、会社から高評価を得た一部の人だけのものとなってしまいました。


(2)定年退職後2000万円以上の貯蓄がないと生きていけないって本当?

金融庁の試算によると、人生100年の時代に、65歳で定年退職した夫と専業主婦の妻という設定の夫婦が100歳まで生きたとして、「平均1300万円~2000万円が必要」だそうです。
【参考】金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」 令和元年6月3日|金融庁(PDF)

この衝撃的な数字に、メディアが騒ぎ、日本中の人が年金機構に対して怒り、老後の不安でいっぱいになったのもそんなに昔の話ではありません。
しかし、この金融庁の資産はあくまで65歳で定年退職した無職の老夫婦の家庭の場合です。

今後政府の方針で定年退職は70歳まで引き上げられ、年金支給も総じて引き上げられる予定です。
そうなれば金融庁の資産はあまり当てにならず、それに健康寿命がどんどん延びて、定年後も働ける高齢の現役社会人が謳歌する時代になるのではないでしょうか。


(3)65歳以上のキャリアが重要となる時代に!

そもそも今40代以上のサラリーマンが、今から2000万円以上もの預貯金を蓄える余裕がある人がいったいどれだけいるのでしょう。
金融庁の発表を聞いたほとんどの人が、「少しでも長く働かねば!」と覚悟を決めたのではないかと思います。

子育てを終えた専業主婦も、自分たちの老後の預貯金のために、派遣やパートの検討をはじめた人も少なくないでしょう。
そんな親たちを見て、今から社会人になろうとしている子供達は、老後の生活資金を頭に入れて、貯金に励み、一生できる仕事に就くために自分にできることを真面目に考えているでしょう。

もはや昔の第二の人生感覚(年金での優雅な隠居生活)はもはや消え、これからの第二の人生は、地道なキャリア(以下「第二のキャリア」という)がものをいう時代へと変わりつつあります。

そんな時代に、働き方改革が始まり、さらにウィズコロナの時代に突入しました。
SNSの普及、リモート生活、リモートワークで会社の在り方、退職後の働き方の常識が根底から変わり始めたのです。

ウィズコロナ時代を機に第二の人生のキャリアの多様性が可能になった!

(1)老後の人生は自分で守らなければならない

ウィズコロナ時代に突入し、リモートワークや在宅ワークが実施され、もはや会社は要らないとIT企業を中心に、オフィスの賃料の契約解除をした企業も増え始めました。

チラシの格安印刷で有名なIT企業「ラクスル」も、オフィスの1つの賃料解約で浮いたお金を社員の補助金にしたそうです。
こんなふうにウィズコロナ時代では、企業が生き残りをかけて働き方の多様性を求めてい く時代となってきました。

しかし、ウィズコロナ時代の働き方改革で、自由な時間が増え、リフレッシュすることができた人もいれば、残業代が減って家計に響いた人もいます。
働き方改革では、政府は企業に対して副業を推進したので、副業を解禁した企業も増加しつつあります。

ただし、副業をする企業を会社に報告しなければいけなかったり、会社が決めた企業にしか副業を許可しなかったり、会社側としても社員に復業させることで会社へのデメリットがでないよう工夫しつつ、社員の残業代減少のための給料への不満を解消させ、さらに他 社で得たスキルのフィードバック等ができればなお良しという感じで、会社独自のシステムを模索しています。

また、少しでも収入を増加させようと社員の方も工夫しており、新たな資格にチャレンジする人もいれば、自分の日常の仕事を利用して副業を始める人もいます。
副業をすることで、一つの会社で凝り固まった常識が目から鱗のように流れ落ちてしまうこともあるでしょう。
こんなふうに、政府の働き方改革とウィズコロナの影響で、世の中の働き方に関する考え方がいっぺんに変わってしまったのです。

在職中にこのような状況ですから、退職を控えた方々は、退職後の収入についても模索し、退職後の仕事に興味を持ってさまざまな情報収集に励んでいることでしょう。
もはや長年働き、会社にどんなに貢献していても再雇用してもらえるかどうかは不明です。
定年後の人生設計を自分で構築していくしかない時代なのです。

(2)第二のキャリアは未知数?まだまだ希望が一杯!

SNSを駆使するご高齢の方々も増え、SNSで新しいワーキングサークルに参加したり、勉強会の存在を知って、心機一転、新たな業界へ足を踏み入れる人もいるでしょう。

退職金を使って、専門学校に通う人もいるでしょう。
その証拠に、2020年の司法試験予備試験の合格者最高齢は68歳でした。
司法書士は72歳。 社労士は84歳、行政書士は75歳。このように、高齢合格者は軒並み増加傾向にあります。 
50代後半から退職後のことを考えて勉強を始める人が多いのか、55歳以上の合格者がけっこういるのです。

このように、退職後も20代に負けない記憶力を自負する高齢者がたくさんいる世の中です。 高齢者に含まれる60歳以上の年配者達は、「高齢者」のイメージとかけはなれていて、高齢者と呼ぶには首をかしげるほどお元気で、まだまだ現役で働けます。
そんな元気なご高齢者達が、ウィズコロナ時代を機に、第二の人生の新たなキャリアを考え始めるのは不思議ではありません。

健康上のリスクの多様性にも目を向けよう!

冒頭で述べましたが、昨今の超高齢化時代(人生100年時代)は、健康で長生きするため に「健康寿命」という言葉が重要視されるようになりました。


※画像引用元:第11回健康日本21(第二次)推進専門委員会資料|厚生労働省(PDF)

上の厚生労働省の資料からもわかるように、健康寿命は10歳近く平均寿命を下回っています。
死ぬ前に10年近く療養生活あるいは寝たきり、あるいは認知症で家族に迷惑をかけて しまう可能性があるということです。

(1)40代になったらサプリメントの活用

40代後半以上の年齢にさしかかると、妻(あるいは夫)・子供に将来迷惑をかけないようにと健康に目を向けるようになります。
現実問題として、40代中盤を迎えると多くの人が急激に体力の衰えを感じ始めます。
その反動で、その不安を払拭するかのように一気に健康に対する意識が高まるのです。

脳に良いサプリメントのCMを見ると、認知症にならないようにと思うでしょう。
その他にも、骨粗鬆症予防のサプリメント、肘や膝の健康を維持するサプリメント、高血圧予防のサプリメント、メタボ・肥満防止のサプリメント、あらゆる健康の元祖となる睡眠に効果的なサプリメント、身体のデトックスで健康を維持する便婦解消に特化したサプリメントetc…
テレビのCMやSNSのメルマガ等は、このような中高年をターゲットにしたものが非常に多くなりました。

(2)40代・50代になったらアンチエイジング

また、アンチエイジングに特化したサプリメントも次々と研究され、どんどん世の中に出てきています。

不死の妙薬通してクレオパトラも愛用した「プラセンタ」の研究も進み、錠剤、ドリンク、 化粧品の美容液等々、昔よりもずっと安価で手に入るようになりました。
それもこれも、長生きするなら健康で楽しく幸せに生きたいと願う人々が増えた証拠です。

(3)50歳以上でも入れる医療保険の進歩

一方で、高齢でも持病があっても加入できる、病気になったときのための医療保険の商品開発も盛んになりました。
とくに高齢で新たに加入すると最大のデメリットである掛け金の高額化についても、ネット保険という形で、高齢でも経済的負担がかからない保険の開発が進みました。

また、日本人に多い癌の保険サービス、通院治療や超高額医療に特化したサービス、日進月歩の医療の進歩に対応した新たなサービスがどんどん増えてきています。

人生100年時代の健康リスクに対応したサービスも豊富な時代になってきたといえるでしょ う。 また、美容も健康も、若年層よりも経済的に豊かな50歳以上の年齢層に向けたサービスが 充実してきた時代ともいえるでしょう。

人生100年時代だから生じた思わぬ多様性には熟年婚活・熟年離婚も含まれる!?


(1)熟年婚活が当たり前の時代に

シングルマザー、シングルファーザーでがんばって子育てを終えた50歳以降の年齢層の恋が、もはや恥ずかしい時代ではなくなりました。
それに、50歳を迎えた結婚未経験の人も少なくありません。 50歳は、まだまだ人生の折り返し地点なのです。

そんな「熟年」と呼ばれる年齢層の人たちが、幸せな老後に向けて「残された人生をひと り寂しく終えたくない」と思い始めたのです。
そんな需要があってこそ盛んになる熟年者の婚活サービス、50歳以上(40代後半でも可) で、上は上限がない出会いの場を提供するサービスが盛んになりました。

しかし、熟年婚活には課題もあります。
なかなか結婚へと進まないカップルも多いのです。

茶飲み友達は欲しくても、結婚となると子供達の了承も必要ですし、相続問題も関わってきます。
結婚未経験で煩わしい親族がいなくても、今まで自由に生きてきたのに、今さら 親族とのお付き合を疎ましく思う人もいます。

「今さら面倒なことは・・・」と考える方々が多い年齢層ともいえるでしょう。世間の目を気にする人もいます。まだ「その年で恥ずかしい」という古い考え方の人もいるからです。
結婚を躊躇するけれども茶飲み友達が欲しい、そんな方々のために、熟年者向けの趣味のサークルが増加したのも事実です。

(2)熟年離婚が増えた

反対に、夫が定年退職を機に熟年離婚を考える人も増加してきました。
人生100年と聞いて、「あと40年も夫(妻)と一緒にいるのは嫌」とか「この人と一緒のお墓は嫌だ」と、理想の人生の終わり方を思い描いたら、配偶者の存在を疎ましく思うようになったと感じる夫婦も増えていると聞きます。 

20年以上連れ添った夫婦の熟年離婚では、元妻が元夫の厚生年金部分の半分を上限としてもらえる法律(年金分割制度)ができたのも熟年離婚に踏み切れるようになった理由のひとつです。

ただしこの年金分割制度には、全ての人がもらえるわけではなく、金額も個人差があります。
様々な条件によってもらえる金額は人それぞれですから、離婚の前には法テラス等で 相談して確認することをお勧めします。

まとめ

いかがでしたか?
人生100年時代に突入すると思ったら、第二の人生は思ったよりも長く、健康寿命だけを 考えても、定年後にまだ20年ほどはあります。
そんな長い長い第二の人生をどう過ごすか、50代半ばを超えたら終活ノートを作ることを考え始める人も少なくないでしょう。
「備えあれば憂い無し」という言葉もありますので、このような用心は重要です。
しかし、ウィズコロナの時代、ただでさえコロナの不安が世界中を飲み込んでしまいそうな今、「備えあれば憂い無し」と用心ばかりしてステイホームしていては、ストレスで心身疲れ果てて病気になってしまうかもしれません。
ストレスは免疫力を低下させるので、コロナウィルスに対抗できません。
それでは本末転倒です。
生きるため、コロナに勝つためにも、人生楽しく、可能な限りストレスフリーでステイホーム生活を楽しまなければなりません。
息抜きのための趣味も大切です。

ウィズコロナの今、命に関わるコロナへの用心を含めて、将来のお金の問題、仕事、健康、 様々な事をいっぺんに考えるのではなく、今できることを一つずつ試してみてはいかがでしょう。
考えるよりも実行、人生無駄なことなんてないのです。

経験は何かに役立ちます。
「ウィズコロナの今をどう乗り切るか!」こんな時代でも楽しく前向き思考ができる人、 転んでもただでは起きない人こそ、幸せな人生を送れる人なのかもしれませんね。

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