年金を払わないのは違法?どうなる?税金滞納のリスクや免除・猶予制度を知ってリスクを回避しよう!

「年金を払わないのは違法?」
「年金保険料を支払わないとリスクがある?」


年金保険料を支払う余裕がなく、悩んでいる方もいるでしょう。
年金保険料の支払いは義務化されているので、支払わないと、財産差し押さえなどの状況になる可能性があります。

また、将来の老齢年金受給や障害年金・遺族年金の受け取りにも影響します。
支払い能力がない場合は、免除・猶予制度などを利用し、不利益が生じないよう対策することが大切です。

本記事では、年金保険料の滞納やリスク、対策などについて詳しく解説します。

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国民年金とは ?

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国民年金は、以下のように生活をお互いに支え合う仕組みです。

老後の生活
病気や怪我により障害が残った場合の生活
世帯主が亡くなった場合の生活

国民年金を納めることで、必要なときに以下を受け取れます。

  • 老齢年金
  • 障害年金
  • 遺族年金

20歳以上60歳未満の人は、国民年金への加入義務があります。
国民年金保険料の支払い義務は条件によって異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。

年金保険未納のリスク

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国民年金保険料を支払うのは義務であり、未納状態を放置していると様々なリスクがあります。
必要な資金を受給できず、生活に影響するケースもあるのです。
国民年金未納のリスクを把握しておきましょう。

 
事故に備えられない

国民年金は老後資金というイメージを持つ方が多いですが、万一事故で被害を受けた場合にも適用されます。
そのため、国民年金保険料を支払わないと、事故で障害が残った場合の「障害基礎年金」、世帯主が亡くなった場合の「遺族基礎年金」を受け取ることができません。
というのも、「障害基礎年金」や「遺族基礎年金」の受給に関しては、一定期間国民年金保険料を納付していることが条件となっているのです。
事故に備えられないのは、リスクと言えるでしょう。

老後の年金を受け取れない可能性がある

国民年金保険料を支払わない場合、老後の年金を受け取れない可能性があります。
というのも、原則として10年以上の保険料納付済期間がある方に対し、老齢基礎年金が支給される仕組みになっています。
条件を満たしておらず、年金を受け取れないリスクがあることを把握しておきましょう。

年金額が低くなるリスクがある

国民年金に関しては、保険料の未納期間を除いて老齢基礎年金の支給額を算出するため、未納期間がある場合は減額になります。
老後の生活を考慮すると、規定の国民年金保険料を支払っておく必要があるでしょう。

年金保険料未納により財産を差し押さえられるまでの流れ
国民年金保険料の支払いは義務なので、支払わない場合は財産の差し押さえ対応となる可能性があります。
とはいえ、いきなり財産を差し押さえられるわけではなく、まずは催促されるのが一般的です。
年金保険料未納により財産を差し押さえられるまでの流れを把握しておきましょう。

保険料支払いの催促をされる

保険料を支払っていない場合、催促する封書が届きます。
届くのは以下の順番となっています。

  • 納付督励
  • 特別催告状
  • 最終催告状

全て無視して未納が続いた場合、延滞金を徴収される可能性があります。

財産を差し押さえられる

催促されたにも関わらず無視して未納を続けた場合、財産を差し押さえられる可能性があります。
財産を差し押さえる際は、日本年金機構の職員により、銀行口座やマイカー情報などが調査されます。
なお、財産を差し押さえられても未納を続けると、国から保険料を強制的に徴収される可能性があります。

年金と貯蓄はどっちがお得?

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年金保険料を支払うよりも、貯蓄しておく方がお得なのではと思う方もいるでしょう。
年金保険料が高くなっているにも関わらず、年金を受け取る年齢は遅くなっている傾向にあります。
そのため、年金を当てにできず、年金保険料分を貯蓄したいという考えもあるのです。
とはいえ、現時点では、平均寿命までとした場合、支払う年金保険料以上の金額を受け取れる計算となっています。
なお、年金保険料の納付は義務なので、財産差し押さえなどのリスクを考慮すると支払う必要があるでしょう。
さらに、年金保険料を支払っていれば、老齢年金のみならず、万一の場合に障害年金や遺族年金を受給できます。

年金保険料の免除・猶予を受けることは可能?

年金保険料の支払いは義務付けられているとはいえ、事情があり支払えないケースもあるでしょう。
年金保険料の納付が難しい場合は、免除・猶予を受けられることがあります。
適切な手続きをすれば、財産差し押さえなどを受けることもありません。
年金保険料の免除・猶予について見ていきましょう。

保険料納付猶予制度

保険料納付猶予制度とは、所得が少ないなど保険料の納付が難しい場合、納付の猶予を受けられる制度です。
保険料納付猶予制度を利用すれば、年金保険料を強制徴収されないので安心です。
また、未納期間とみなされないので、将来の年金受給への影響が小さいです。
保険料納付猶予制度を利用している期間も、年金の受給資格期間としてカウントできます。
ただし、保険料納付猶予制度の対象となるには、所得額で条件を満たす必要があります。
扶養家族の有無など、状況によって異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。

年金支払いの免除も可能

保険料納付猶予制度を利用するには、所得による適用条件を満たす必要がありますが、対象とならない方もいます。
また、保険料納付猶予制度は、あくまで猶予という位置づけなので、いずれ支払う必要があります。
そこで、年金保険料の支払いに悩んでいる方は、年金支払いの免除を検討することも可能です。
条件によって、全額免除・一部免除を受けられます。

制度を利用する以外の保険料対策

保険料を支払う余裕がないけれど、猶予・免除などの適用にならない方もいるでしょう。
工夫することで、保険料の納付負担を抑えられる可能性があります。
制度を利用する以外の選択肢をご紹介しますので、ぜひ、参考にしてみてください。

社会保険への加入が可能な職場へ就職する

勤務日数が多い場合は、社会保険への加入ができる可能性があります。
社会保険に加入すると、国民年金保険料の支払いが不要となるので、負担を抑えられます。
通常、一定以上の勤務日数がある場合は社会保険への加入義務があるので、現職で未加入の方は条件に該当しないか確認してみましょう。
なお、社会保険への加入目的で、転職するのも手段です。

正社員として勤務する

正社員として勤務する場合は、通常、厚生年金に加入します。
厚生年金の費用は会社側が負担するのが一般的なので、保険料の支払い負担を抑えられます。
「現職で正社員として勤務できないか確認する」「正社員として働ける職場を探す」など、正社員としての勤務を検討してみましょう。

国民年金保険料未納が生じやすいタイミング

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意図せず、国民年金保険料の未納が生じるケースがあります。
国民年金保険料の未納が生じやすいタイミングをチェックしてみましょう。

転職するタイミング

転職するタイミングでは、国民年金保険料の未納が生じる可能性があります。
退職から転職までの期間が空いていない場合は、転職先で厚生年金保険料を給料より天引きされ、未納にはならないケースが多いです。
ただし、無職期間がある場合は、国民年金へ切り替える必要があります。
切り替え手続きを行えていないなどの状況では、保険料の未納期間が発生するので注意しましょう。

配偶者が独立したタイミング

配偶者が独立したタイミングで、国民年金保険料の未納となるケースは多いです。
配偶者が公務員や会社員の場合は国民年金保険料の支払いが不要ですが、退職・独立した場合は、支払い義務が発生します。
配偶者の状況に応じて適切な手続きを行わないと、国民年金保険料の未納期間が発生します。

離婚のタイミング

専業主婦の方が離婚する際、年金関連の手続きが漏れ、保険料未納となるケースがあります。
配偶者が厚生年金保険に加入している場合は、第3号被保険者としての扱いです。
しかし、離婚して扶養から外れると、第1号被保険者となり、保険料の支払い義務が発生するのです。
手続き漏れによる保険料未納を防ぐため、離婚時の手続きに注意しておきましょう。

国民年金の保険料は後から納付することは可能?

国民年金の保険料には、納付期限が定められています。
通常、納付期限から2年経過すると未納扱いになり、将来の年金の受給に支障を来します。
たとえば、「受給資格期間が不足していて老齢年金を受け取れない」などの失敗につながります。
そのため、国民年金保険料を追納したいと考えるケースもあるでしょう。
国民年金保険料の追納について見ていきましょう。

追納制度の利用

年金保険料の納付が難しい時期があり、猶予・免除を受けた期間がある場合、追納制度を利用することが可能です。
というのも、年金保険料の猶予・免除を受けた期間は、受給資格期間として算出されるものの、条件によって年金額の減額になるのです。
将来の年金の受給のため、保険料を追納するのも手段でしょう。
保険料の納付は、10年まで遡れます。
保険料を追納すると、老後の年金受給に有利になります。

追納制度利用の条件

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将来の老年年金受給のため、追納制度を利用したい方もいますが、条件があります。
「保険料の免除・猶予を受けた期間が過去10年以内であること」が条件です。
追納する保険料は、過去2年以内もしくは過去3年以前かによって異なります。
というのも、過去3年以前に該当する保険料には、加算額が発生するのです。
もちろん。全て納付するのが難しい場合は、一部の追納も可能です。

年金保険料の追納は簡単

年金保険料の追納をしたいけれど、手続き方法が分からず放置している方も多いです。
年金保険料の追納は、書類に必要事項を記載し、年金事務所で申請するだけなので簡単です。
年金事務所までアクセスするのが難しい場合は、郵送も可能です。
必要書類は、インターネット上で取得できます。
申請後、承認されると、納付書が届きます。

保険料追納の最適なタイミングを見極めよう

年金保険料は3年以上経過すると、加算額を支払う必要があります。
そのため、2年以内に追納するのがお得なケースが多いです。
ただし、状況によっては、必ずしも2年以内がお得とは限りません。
というのも、保険料の追納は所得税・住民税に影響するのです。
保険料追納により課税の対象となる所得金額が小さくなり、税率が下がるタイミングであれば節税になります。
たとえば、収入が上がったタイミングで保険料を追納すると、税率を下げられる可能性があります。
保険料を追納する際は、節税についても意識しましょう。

まとめ

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年金保険料の支払いは、「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」の受け取りに直結します。
保険料未納のまま放置していると、財産差し押さえなどのリスクを伴うことに加え、万一の際に受給できず生活に影響します。
保険料を支払う余裕がない方向けに、免除・猶予制度もあるので、チェックしておきましょう。
免除・猶予制度の利用条件に該当すれば、必要な手続きをすることで保険料負担を抑えるとともに、将来への影響も回避できます。
また、受給金額を増やしたい場合は、追納も可能です。
税金滞納のリスクや免除・猶予制度を知り、自分に合う方法で対策しましょう。

年金を払わないのは違法?どうなる?税金滞納のリスクや免除・猶予制度を知ってリスクを回避しよう!
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