現在の日本は働き方改革が進んでいて、徐々に労働者が働きやすい環境が作られている状態になっています。
しかしながら、働き方改革を政府が進めているにも拘らず、全く対応していない企業も多いです。
働き方改革では様々な法律の改善が行われていますが、その中でも注目されているのが「有給」になります。
そこで本記事では、労働者や企業が気になっているであろう「有給」について徹底解説していきました。
有給を使わないと起こる影響を労働者と企業に分けて紹介したので、興味がある人は是非最後までご覧下さい。
有給を使わないと起こる影響(労働者編)
まずは、有給を使わないと起こる労働者の影響を解説していきます。
期間が経つと有給の権利が消えていく
有給を習得できる期間は2年と決まっているので、それ以降は権利が失っていくことになります。
例えば、3年前に習得する権利があった有給を取りたいと申請しても、既に権利は失っているので習得することはできません。
有給をしっかりと習得したいのであれば、期間を把握しておくようにしましょう。
リフレッシュができない
有給を取らないと、仕事中心の生活が続いてリフレッシュすることができないという影響が発生します。
しっかりとリフレッシュをしなければ、仕事が辛くなり勤務することに対して嫌悪感を抱く可能性があります。また、最悪の場合は精神的に大きなダメージを受けてうつ病など発症する可能性もあるので、有給を習得してリフレッシュすることは大切だと言えるでしょう。
h3:会社から舐められる可能性がある
有給など企業にとって得の無い行為を行うと、会社から嫌われて社内の立場が変わってしまうなどの影響が出ると懸念している人は一定数存在するでしょう。
しかしながら、有給など当たり前に貰える権利を主張しないと会社から舐められる可能性があります。
会社に舐められると当たり前の権利を主張するのが難しくなるので、有給などは自分から進んで申請していくことが大切です。
有給を使わないと起こる影響(企業編)
先ほどは有給を使わないと起こる影響を労働者の観点で解説していきました。
有給を労働者が取ると会社にとってメリットは無いように感じている人も多いでしょう。
しかしながら、労働者に有給を取らせないと起きる悪い影響もあるので、順に解説していきます。
労働者が辞めていく
有給を取れない会社は完全にブラック化しているので、労働者の不満が溜まり離職していく可能性が一気に高くなります。
離職者が出ると、新しく人材を確保するのにポータルサイトや求人雑誌への掲載料が必要です。
ポータルサイトや求人雑誌への掲載料は、有給を与えておけば必要の無かった無駄な出費になります。
また、複数の労働者が不満を募らせて一気に辞めた場合は、業務量が多くなり仕事が回らなくなる可能性も高いです。
労働者が辞めていくリスクを考えると、有給の出費は決して高くないと言えるでしょう。
ペナルティになる場合がある
有給を取らせない企業は法律違反になるので、ペナルティーとして罰金が課せられる場合があります。
あまりにも酷い場合は調査などが入る為、かなり面倒な事態になる可能性も十分に考えられると言えるでしょう。
ペナルティになるリスクを考慮すると、有給はしっかりと払っておいた方が良いはずです。
ネットで炎上する可能性がある
最近は誰でもSNSで情報発信ができる状態なので、従業員が有給を取れないと記載したツイートが拡散されて炎上する可能性があります。
SNSの炎上が原因で経済的なダメージを受けた経験のある企業は、決して珍しくありません。
少し炎上の内容は異なりますが、アルバイトが業務中にふざけてしまった動画を投稿して炎上した会社が廃業まで追い込まれた事例もあります。
従業員はSNSを使って簡単に企業へ反撃ができるので、炎上するリスクを抑えるためにも、従業員を大切にして有給などの権利は尊重するようにしましょう。
有給についての疑問5選
それでは、有給について聞かれる疑問を5つに厳選して解説していきます。
有給について理解が深まっていなくて疑問が多い人は、しっかりと確認しておきましょう。
有給はどれくらい取れるの?
有給は、下記の条件を満たしている人は誰でも習得することが可能です。
- 半年以上は勤務している
- 出勤日の8割以上は勤務している
どれくらいの有給が取れるかに関しては、勤続年数によって変わってくるので、下記をご覧下さい。
- 勤続半年:10日
- 勤続1年半::11日
- 勤続2年半::12日
- 勤続3年半::14日
- 勤続4年半::16日
- 勤続5年半::18日
- 勤続6年半::20日
上記は正社員の場合なので、アルバイトやパートなど違う契約内容で働いている人は、会社に確認してみましょう。
また、2年後に有給は失効になるので、注意しておくようにして下さい。
有給を買い取ることはできるの?
有給が残っているけど消化するのが難しい人や、有給が失効してしまった人の多くが、「有給を買い取りできるのか」について疑問を持っています。
しかしながら、法律で有給を買い取る行為は禁止されているので、不可能だと覚えておきましょう。
有給の買い取りができない理由は、人手不足の会社などが有休を買い取って無理に従業員を出勤させる可能性があるからです。
有給の買い取りは違法行為でできないので、しっかりと失効する前に消化するようにしましょう。
有給を取れない場合はどうしたら良いの?
会社に有給を申請しても会社から許可されない場合は、下記の方法を取る必要があります。
- 労働組合に相談する
- 弁護士を使って会社を訴える
- 労働基準監督署に相談する
一般的には、労働基準監督署に相談して、会社の違法行為を伝えましょう。
また、会社の違法行為を自分で解決するだけでなく取り締まって欲しいと感じているのであれば、相談ではなく通報という形にして下さい。
h3:有給はどうやって取れば良いの?
有給を取りたいと考えているのであれば、できるだけ早く事前に上司に伝えておきましょう。
会社によって有給の申請方法は異なりますが、基本的には所定の紙に休みを貰いたい日を記載するだけで習得できます。
退職が決まっていても有給は取れるの?
退職が決まっていても有給は労働者の権利なので、習得することはできます。
その為、有給を消化してから辞められるようにスケジュール調整をして退職日を決める人も多いです。
例えば、有給が31日残っている場合は、退職日を来月に設定するというような感じです。
これから退職する予定で有休消化を迷っている場合は、消化してから辞められるように退職日を設定しましょう。
有給について知っておくべきポイント
最後に、有給について知っておくべきポイントを解説していきます。
繁忙期は企業が有給習得を断れる
企業は従業員から有給の申請を受けたら基本的には承諾しなければいけませんが、繁忙期などは断ることができるようになっています。
例えばテーマパークなどは、ゴールデンウィークや年末年始など長期休みが繁忙期になるので、従業員から有給の申請を受けても断ることが可能です。
しかしながら、繁忙期でも無いのに有給取得を先延ばしする為に企業が断っていた場合は、十分に違法行為なので労働基準監督署に相談しましょう。
有給は2年分まで繰り越しできる
有給は2年で失効すると何度も紹介しましたが、言い換えると有給は2年分まで繰り越しすることができます。
例えば前年度の有給数が20日で今年の有給数が20であれば、合計で40日の有給を習得することが可能です。
どれくらい有給が残っているのか把握できていない人は、会社に確認してみましょう。
できるだけ早く上司に伝えておく
有給を消化する場合は、できるだけ早く上司に伝えておきましょう。
いきなり有給の申請をしても、すぐに了承を得ることが難しいですし、会社から良い印象を持たれることはありません。
有給を取りたいタイミングが決まった段階で、上司に伝えておくようにしましょう。
労働基準監督署を使うなら証拠を集めておく
労働基準監督署に相談・通報をしたとしても、証拠がなければ動くことができません。
その為、労働基準監督が動けるレベルの証拠を集めておくことが大切になります。
どのような証拠が必要なのか分からない場合は、事前に労働基準監督に連絡を入れて確認しておきましょう。
トラブルが大きくなったら弁護士も使う
あまりにもトラブルが大きくなった場合は、弁護士を使って裁判を起こすのも選択肢の1つです。
有給の習得だけであれば労働基準監督署で会社が動いてくれることが多いですが、どうしても会社が動かない場合は弁護士を使ってみましょう。
まとめ
本記事では、有給を習得しない場合にどのような影響が出るのか従業員と企業に分けて徹底解説しました。
有給は消化しないと無駄に働いている日数が増えるので、従業員にとってはメリットがありません。また、しっかりとリフレッシュしなければ、精神的にも肉体的にも費用がダメージを受けるので、仕事に影響が出る可能性もあります。
従業員は、しっかりと有給を申請して消化するようにしましょう。
また従業員に有給を取らせない企業は、ペナルティーや炎上など、無駄に多くの出費が発生する可能性があります。基本的には繁忙期以外は、従業員の有給の申請は承諾しておくことをおすすめします。