複数内定をもらったときの企業の選び方と正しい内定辞退の方法

複数の企業から内定通知を貰えたら嬉しい反面、どの企業に絞るのか悩んでしまうでしょう。

どんなに多くの内定通知が来ても、入社出来る企業は1社のみなので、その他の企業を出来るだけ早く辞退しなければなりません。

では、複数内定をもらった場合、就職先をどのように決めたらよいのでしょうか。

今回は、複数の企業から内定をもらった時の企業の選び方と正しい辞退の方法をご紹介します。

1 選択する期限を決めよう

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まず大切なのが、いつまでにどの企業を辞退するのか期限を決めることです。
企業は採用者が決定すると、新入社員の入社に向けて動き出します。

内定通知書や雇用契約書の作成をはじめ、入社式、社内研修や配属先、制服などの配布物の準備など、計画を立てて進めていきます。

就職先を決めることは、将来を左右する大切なことですし、複数の企業から内定を貰った場合に悩むのは当然でしょう。

ただし、企業も時間と費用を掛けて採用活動を行っています。
内定通知を出してから、ある程度の経過したのちに採用辞退が出てしまうと、企業は一から採用活動を行わなければなりません。

辞退する事で、多少なりとも企業への迷惑を掛ける訳ですから、採用担当者の負担を最小限に減らすためにも、選択する期限を決めましょう。

2 内定を辞退する企業はどう決める?

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複数の企業から内定を貰い、辞退する企業を決めるのには、いくつかのコツがあります。

ここでは、内定を辞退する企業をどのように決めたらいいのか解説していきます。

内定を貰った企業を比較して点数をつける

内定を貰った企業を並べ、比較できる一覧表を作成しましょう。
表にして比較する事で、自分がどの部分を優先するのか、客観的に見ることで出来ます。

2社以上の企業から内定を貰っている場合は、表を作成する前に2社に絞り、上記の表を作成して比べてみると良いでしょう。

下記のような表を作り、給与、仕事へのやりがい、勤務地や勤務時間、昇級、職場の雰囲気など項目ごとに、比較します。

◎の数が多ければ、入社後の満足度がより高いことが考えられるため、辞退する企業の目安にするでしょう。

項目A社B社
仕事へのやりがい
給与
勤務時間
長所を活かせる
職場の雰囲気
働き方の柔軟性

近年はリモートワークの有無や育児休暇制度や介護制度など、福利厚生面も将来的には大切な要素になってきます。

ちなみに100%満足する企業はありません。
自分が何を優先させて働くのか、しっかりと考えましょう。

自分の適性を知る

続いて自分の能力や性格と、企業が求める人材を照らし合わせ、適正かどうかを考えます。

複数の会社から内定を得られたという事は、自分の能力や人柄が複数の企業に認められということであり、とても嬉しい事です。

企業によって、働き方には違いがあります。チームで作業を大切にしている場合と、個々で作業に重きを置いている場合など、企業によりさまざまです。

また、同じ業種でも企業規模によっても、ベンチャー企業と大手企業では違いがあります。

ベンチャー企業は安定性では不安がありますが、能力次第では会社発展に大きく貢献できる可能性もありますし、大手企業では、安定性はあるが、決まりごとが多く窮屈に感じる方もいらっしゃるでしょう。

自分はチーム作業で能力を発揮できる性格か、反対に個人で作業できる職場が向いているのか、やりがいや柔軟性を求めるのか、それとも安定性を求めるのか、自分の長所短所を見極めて、辞退する企業を選びましょう。

OG、OBと会う

内定を受けた複数の企業を表にして比較する、自分の適性とのマッチ度を見ても、悩んでしまって決められない場合は、思い切ってOG、OBの方と会って話を聞いてみるというのも1つの手です。

会社のOG、OBの方と直接会って話を聞きたい場合、きちんとアポイントを取ってから合うようにしましょう。

選択に迷っている場合、迷っていることを企業の採用担当者に正直に話をし、OG、OBの方を紹介してもらうという方法です。

忙しい中、時間を作って会って下さるわけですから、聞きたい事や何を悩んでいるのか簡潔にまとめ、話を聞くようにします。

可能であれば、職場を案内してもらうという方法もあります。

転職サイトの口コミおよびSNSなどで企業情報を精査する

転職サイトの口コミやSNSなどで、企業の情報を見て辞退する企業を決める方法です。内部の人間からの情報だと、本質が分かりにくいデメリットがあります。

口コミやSNSでは、率直な意見が書かれているので、参考にするのも良いでしょう。ただし、書き込みをした人の1つの意見である事ことを踏まえ、多くの意見を見て判断し、あくまでも参考として利用しましょう。

3 就職先を決定する上でやってはいけないこと

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複数の企業から内定を貰い、1つの企業に絞り切れない時、ついやってしまいがちな3点をご紹介致します。

第三者の意見を優先する

参考意見として、第三者の意見を聞くことは大切です。年齢が近く、自身も同じ道を歩んできたばかりのOGやOBの意見は、とても参考になります。

ただし最終的な決断は自分で行いましょう。

第三者は自分の将来に責任を持ってくれるわけでありません。第三者の意見を聞くことで視野が広くなり、違う方面からの捉え方を教えてもらえるなどのメリットがありますが、あくまでの話を聞かせてくれ方の意見です。

第三者の意見を聞いた上で、自分はどうしたいのか後悔しない決断をしましょう。

しっかりと分析を行わずに決めてしまう

最初に内定を貰った企業に決めた、給与が低かったので辞退したなど、複数の企業から内定を貰ったのに、それぞれの企業についてしっかり検討せず、「何となく」で決めてしまってはいないでしょうか。

大卒の新入社員が3年以内に離職するというデータがあります。
コロナ禍で求人が減っている時期ではありますが、業種によっては慢性的な人手不足で、売り手市場である状況は続いています。

ステップアップのため離職であればいいのですが、ミスマッチで転職を余儀なくされた場合、前職の疲れを引きずったまま転職活動となり、大きな負担となってしまいます。

短期間で大きな決断をしなければならないため、大変ではありますが、企業情報と自分の適性を徹底的に調べましょう。

選択を先延ばしにすること

辞退する企業を選ぶのは大きな選択ですが、いつまでも悩んでいるわけにはいきません。

企業は採用活動を行うのに、費用と時間を掛けて行っています。

特に不採用者に既に通知してしまっている場合、企業が採用活動を行わなければならなくなることや、他の候補者のチャンスを潰してしまっていることになります。

どうしても辞退する企業が決められない場合、採用担当者に直接連絡し、他にも内定を貰っている事を告げ、内定辞退の期限などを、正直に相談してみましょう。

4 なかなか就職先が絞れないときの対応

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複数の企業から内定を受け取り、どの企業にしようか悩んでしまった場合、期限内に一人で結論を出そうとすると、視野が狭くなり、焦って選択してしまいがちです。

そのような時は、「人」に頼りましょう。コミュニケーションを取ることで視野が広がり、答えが出やすくなります。

具体的には次のような方法があります。

率直な気持ちを内定企業へ相談する

まずは、内定を受けている企業の担当者へ直接現状を話して相談します。
黙って返事を先延ばしにしているのは、もっとも良くありません。

たとえ第一希望の職場でなくても、相談している採用担当者の企業に魅力を感じていることをしっかりと伝え、他にも内定を貰っている企業があり、悩んでいることを話しましょう。

(その際、御社が第一希望では無いことは伝えない方が良いです。)

業務内容や会社にもよりますが、場合によっては相談に行った際に、採用担当者の方が、社内を案内してくれるかもしれません。

内定者と会う

次に、社員や大学などを通じ、他の内定者を紹介してもらう方法です。
個人情報の観点から難しい面もあるかも知れませんが、会える機会があるのなら会ってみましょう。

他の内定者は仲間でもあり、将来ライバルになるかもしれない相手です。
志望動機やその企業で目指していることを聞くことで、刺激になるかもしれません。

5 内定辞退する場合のマナー

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自分を気に入り内定を決めてくれた企業をお断りするには、とても勇気がいる事です。社会人としてのマナーが試される時です。

失礼の無いよう、お詫びと感謝の気持ちが伝わるようにしましょう。

基本は採用担当者へ直接電話で連絡する

採用を辞退する時は、採用担当者へ直接電話で話をすることです。

採用担当者が席を外している場合は、電話に出た方に簡単に伝言し、戻りの時間を確認し、折り返し連絡を入れましょう。

出張などで長期間居ない場合でも、日程を確認し、直接担当者へ話をすることが大切です。

早めに連絡する

内定を辞退する事が決まったら、とにかく早めに連絡を入れるようにしましょう。
内定者が決まったという事は、同時に不採用になった人がおり、その人の元へは不採用通知が届くことになります。

採用辞退の連絡が遅れると次の点で、迷惑が掛かることになります。

まず一つ目は、不採用者へ通知をしてしまい、再募集が必要な状態になれば、企業側は再度採用活動に時間と費用を掛けなければならない点です。

二つ目は、採用辞退の連絡が早ければ、不採用となった他の候補者が、採用となる可能性があります。もしかすると他の候補者にとっては第一希望の企業であったかもしれません。

自分にとっても大切な就職活動ですが、採用辞退することは、企業や他の候補者にも影響が出ることを覚えておきましょう。

電話のあとさらに手紙で謝罪を行う

採用辞退を行うには、採用担当者へ直接連絡をするのが基本です。
その後、さらに手紙にて謝罪を行うと、さらに丁寧な印象を持って貰えることになります。

採用担当者も毎年採用辞退者が出ることは、ある程度想定しています。
ただし、書類選考や面接など、何度かの選考を行い、決定した内定者から辞退されることは多少のダメージは伴います。

自分を採用してくれた感謝の気持ちと、苦渋の決断で辞退となった事への謝罪の気持ちをしっかりと伝えましょう。

辞退の理由は聞かれたら簡潔に伝えよう

採用担当者へ採用辞退の連絡を入れた際、辞退の理由を聞かれることがあります。
その際は、簡潔かつ誠実に伝えましょう。

他にも内定を受けており、悩んだ末自分の適性を考えた上での決断であることなどを感謝の気持ちと共に伝えることが大切です。

就業時間内に電話を掛け、始業時間と終業時間の前後30分以内の電話は避けます。
またお昼前後も席を外している事が多いため、避けるようにしましょう。

担当者が不在の場合は、電話に出た方へ伝言を言い、担当者の在席予定を確認し掛け直します。

電話と並行してメールという手段もある

担当者が何度電話しても不在という場合は、連絡が遅くなってもいけないので、先にメールにて採用辞退の旨を伝えましょう。

メールも電話と同様、会社の就業時間内、始業時刻や終業時刻や昼休みの時間帯を避けるようにします。

内容は簡潔に、感謝と謝罪の気持ちを込めて作成し、後日改めて電話をしましょう。

連絡しないのは絶対NG

こちらの手段を取る方はごく少数だと考えられますが、企業側がもっとも困るのが採用辞退の連絡をしない、内定者と連絡が取れなくなるケースです。

大手求人サイトによりますと、辞退の意思があるにも関わらず、求職者が連絡をしない理由として、おおよそ3割の方が「辞退理由をどのように伝えていいのか分からない」という回答を上げていました。

こうした求職者の行動は、社会人として信頼を大きく損なう行為です。
辞退する企業だから、連絡しなくても問題ないと思われるかもしれませんが、辞退した企業とは、将来何らかの形で仕事に関わってくる可能性もあります。

繰り返しになりますが、辞退するかどうか悩んでいる場合は、採用担当者へきちんとその旨を伝え相談しましょう。

7 まとめ

今回は複数内定を貰った時、就職する企業をどう決めるのか、正しい辞退の仕方についてご紹介致しました。

職場は、収入を得るための手段であるとともに、一日の大半を過ごす場所でもあります。

複数の企業から内定を貰った場合は、自分の適性と企業について徹底的に分析を行い決めることが大切です。

内定辞退について悩んでいる方は、この記事を参考に辞退する企業の選び方と失礼のない正しい辞退方法について、参考にしてみてください。

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