日本人の給料安すぎ問題を分析! 世界との比較や低賃金の原因、個人が抜け出すための方法

企業などで働いているサラリーマンは毎月決まった収入を得られます。
アルバイトや派遣社員も時給が設定されており、労働時間に応じて給料を得ることができます。
ただ「給料が少ない」と感じることもあるかもしれません。

職種によって賃金設定に違いはありますが、給料が安いと不安を感じることもあるでしょう。
日本は世界に比べて低賃金とも言われています。
低賃金の原因や自分がそこから抜け出す方法について内容を紹介しましょう。

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日本人の給料が安い原因とは?

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日本人は真面目に働くことや労働時間が長いなど、仕事をする点で評価されている点があります。
しかし、それでも給料が上がりにくいのが日本の現状となっています。
なぜ、日本人の給料が上がりにくいのか原因があります。その原因について紹介しましょう。

労働組合の弱体化

日本は労働組合が世界に比べて,強い主張をしていません。
日本は1990年代のバブルが崩壊した後、企業は高い給料を従業員に支払うのが難しくなりました。

バブル崩壊後は不景気に見舞われたため、企業側としては、給料を維持するのか従業員を維持するのか対策を立てる必要がありました。
そこで、企業側は給料を下げて従業員との雇用関係を守ることを選択しました。

労働組合も従業員が大量に解雇されるよりも給料が下がってでも雇用してもらうことを選択し、これで給料が変動しにくい労使関係ができてしまったと言われています。

この労使関係が影響して、日本の労働組合は自分たちの組合を守るために、給料の引き上げを行うことをためらってしまい、また、経営陣に対して忖度するようになってしまって、強く給料の引き上げを要求できない状態となっています。
しかし、例えばアメリカでは景気が悪くなれば企業は大量に従業員を解雇して、人員カットを行います。

そして、労働組合側も企業に対して給料の引き上げや立場を守るために、ストライキを起こすこともあるほどです。

世界の労働組合は従業員の立場を守るために、企業側に対して強い要求をするため、給料も実力に見合った条件を引き出すことに成功しています。
世界の労働組合と比較してみるなら、日本の労働組合はあまり強く要求した行動は取っていないと言え、それが賃金の低下を招いている1つの原因となっています。

非正規雇用者の増加

日本の給料が安いことは非正規雇用の増加も関係しています。
2000年代ごろに政府の方針もあって日本の雇用形態は変化し、企業は非正規雇用者を雇いやすくなりました。
企業は安い賃金で多くの人員を雇用できるようになり、非正規雇用者を大量に雇うことで人件費を削減させることが可能になりました。

しかし、労働者側の観点で見てみると1人の従業員に支払う給料は結果的に安くなり、この雇用形態に変化してから正規雇用されるハードルも高くなっています。
非正規雇用であれば、正社員と違ってボーナスや福利厚生などもある程度カットすることができるため、企業側によるメリットが大きいです。

しかし、従業員側によっては給料も下げられ、立場も不安定になってしまう結果となりました。
今では再度法改正などもあって非正規雇用者の立場も変わってきましたが、給料の高さに変化はありません。このことから、非正規雇用者の増加も給料が上がりにくい要因となっていると言われています。

少子高齢化による人手不足の影響

日本は若い人が少なく、高齢者が多い少子高齢化となっています。
この少子高齢化の影響はいろいろな影響を及ぼしており、給料が低い原因ともなっているようです。少子高齢化ということは、若い人が少ない状態となっているため、労働者自体の数も少なくなっています。

企業によっては非正規雇用者を多く雇うことで人手不足をカバーすることもありますが、賃金が低い正規雇用者を大量に雇うなら、平均給与は低くなる結果となるでしょう。
また、企業によっては日本人ではなく外国人労働者の受け入れを行って人手不足を解消するようにしています。

ただ、外国人労働者は日本人よりもさらに低い賃金で働くことが多いので、その結果としてより平均給与は低くなっています。
また、政府側としては人手不足を補うために退職年齢60歳を65歳まで引き上げ、さらに高齢者も働くことを推奨するなどして改善を図りました。

ただ、高齢者側にとっては引き続き職場で働くとしても、賃金は下げられてしまうこともあるため、これも平均給料を下げる結果になっています。
このように少子高齢化によって、平均給与は下がる傾向となっています。

内部留保を溜め込み賃金を上げない経営陣

労働者の賃金が上がらない原因として、内部留保する経営陣の方針も関係しています。
企業は収益が出て黒字になった際も労働者の給与を上げるために使用するのではなく、貯蓄をして赤字決済に備える方針を取っているところが多いです。

企業側も常に黒字を出せ続けるとは思っておらず、経済の動きによっては、大きな不況に見舞われることもあります。
例えば、バブル崩壊も多くの企業が倒産する結果となり、リーマンショックなども経済に大打撃を与えました。

そのため、企業を守るために、収益が出たとしても内部保留になってしまい、労働者に還元されることはほとんど無い状態となっています。
企業によっては収益が黒字になった際に海外進出などをして、さらに利益拡大を計画したところもあります。

しかし、ほとんどの企業は内部保留にとどまっており、2017年度には446兆円以上の金額が内部保留されていると法人企業統計で発表されました。
つまり、企業によっては収益はありますが、方針によって日本の労働者の賃金は低いままとなっています。

規制緩和の遅れによる賃金低迷

日本は規制緩和をして、今では通信や交通エネルギーなどの公共料金も多くの企業が参入しています。しかし、規制緩和がされたのは最近であり、以前までは一部の企業のみが独占している状態でした。
そのため、価格競争が起こらず、顧客満足度は良くても、働く従業員は賃金の上昇が起こらずに抑えられてきました。

例えば、スマホの通信や電気、宅配便、外食産業は価格はが低く抑えられてきたため、賃金がいつまでも上がらない状態となっていました。
消費者側にとっては安い価格は満足できても、その背景には低賃金の労働者がたくさんいる状態となっていたため、従業員側としては労働と賃金が見合わないとも言えるでしょう。

規制緩和されてからは、賃金も上昇していますが、収入が高くなったと言えるほどではありません。

賃金を上げるためにはどうすればいいのか?

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日本では給料があまり上がらない状態となっており、収入は勤続年数によって大きく上がっていく状態でもありません。
そのため、収入や給料を上げるなら個人で考える必要があるでしょう。
どのようにすれば給料や収入を上げることができるので、以下のような方法があるので紹介しましょう。

昇進を目指して仕事をする

自分の給料を上げるためには昇進を目指して仕事をすることができるでしょう。
会社は立場によって給料の金額を変えています。
会社の中で立場が上になるほど仕事の責任も大きくなるため、給料の金額は増えていくでしょう。
会社では課長や部長などの部署ごとの昇進もありますが、経営陣への昇進も働き方次第で可能性があります。

経営陣の役職はCEOや監査役など、いろいろあり、スキルや専門知識などを習得すれば、抜擢も十分可能性があるでしょう。
もし、会社の経営陣まで昇進することができれば、役員報酬により収入アップは大きくなり1,000万円を超える高収入もかありえます。
ただ、経営陣まで昇進するためには、専門知識や仕事の成果も重要になってきます。

経営や財務などのスキルと実力がなければ、昇進は難しいポジションなので簡単ではありません。
しかし、収入を増やす手段として目標にすることはできるので、会社内部で成果を出せるようにしていきましょう。

転職をして職場や仕事を変えてみる

自分の給料や収入を上げるためには、転職を考えてみることもできます。
転職は今の職場を変えて別の職種や会社に移動することです。会社によって職場環境や賃金の高さなどは違います。

もし、今の職場で仕事で成果を出しても昇進が見込めず賃金も上がる気配がない、または職種によって給料が上がりにくい状態となっているなら、転職して職場や職種を変えてみることがおすすめです。
転職は自分の働く条件によって選択することができます。

もし、働く環境のみを変化したいなら、同じ職種で仕事先を探すこともできます。
もし、スキルを身に付けて別の職種で働きたいなら、その条件で探してみるのもいいでしょう。
転職はエージェントや紹介業社を利用して見つけることになります。

ただ、利用する転職エージェントや仲介業者の選択がポイントです。
転職エージェントによって紹介する業種の強みに違いがあり、自分が考えている業種と相性が良いのか確認する必要があります。

また、転職の仲介業社に関しても情報をしっかり伝えてくれるのか、詳細な点まで教えてくれるのか確認することで。
自分の条件に合致した会社を選択できるでしょう。転職をする際の給料や収入アップを重視するなら、その条件で探すことができるエージェントを探すように慎重に見極めましょう。

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副業を行う

転職や会社内部での昇進を難しく感じるなら、副業してみることも考えることができるでしょう。
企業によっては副業を許すところも増えていているため、会社の給料に満足できないようなら、空き時間を利用して副業による補填を考えてみることができます。

副業はインターネットによって短時間にできるものがあり、例えば株式やFX、投資信託などの投資、また短時間で行えるアルバイト、せどりや自分で創作した物品販売など、いろいろな方法で行えます。

副業することにより収入を得ることはできますが、会社が許可していることを確認し、また副業収入が20万円以上出たなら確定申告が発生します。
会社で発生した収入は経理が処理してくれるため、自分で確定申告を行う必要はありませんが、副業に関しては会社の範囲外なので自分で処理しなくてはいけません。

また、副業をすることにより本業の会社での仕事に支障が生じると、本末転倒になることもあるので、スケジュールなども考えなくてはいけません。
副業を始めて収入を上げる際はリスクを考えることも大事なので注意しましょう。

開業や独立を考える

会社に勤務していても収入が上がらないようなら、独立や開業を考えてみることもできます。
独立や開業を行うなら、自分で全ての仕事を計画して作業していくことになります。
自分が経営していくことになるため、作業量は会社従業員のときより忙しくなりますが、収入は全て自分のものです。
そのため、開業した方が会社の給与よりも収入が増えることもあり、人によっては1,000万円以上の年収を得られることもあります。
開業や独立をする人も増えてきているので、収入アップとして考えることができますが、経理や仕事のスケジュール、営業なども全て自分で行わなくてはいけないので、作業量は増えます。

また、開業や独立を始めたとしても収入が必ず上がるという保証はなく、状況によっては収入が下がるというリスクも考えられるでしょう。
もし、独立して収入を増やすことを考えるなら、まずは上記で紹介した副業から始めて、仕事が軌道になるのか試してみることができます。

副業として始めた仕事が軌道に乗って収入が安定してくれば本業で独立することも現実として考えられます。
収入アップの方法として検討してみましょう。

賃金を上げるためには自分で目標を立て行動しよう

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会社に勤務していても収入が上がることは期待できません。
そのため、自分で収入を上げるための目標を立てて行動することが大事です。
収入を上げる方法はいろいろあるので、自分に合った方法を見つけて検討してみましょう。

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