会社員の保険料はどうやって決まるの?年収ごとに違いはある?

「会社員の社会保険料はどのように決まっている?」
「社会保険料は年収によって違う?」

社会保険料の負担に悩んでいる方は、社会保険料の決め方が気になるでしょう。

年収が増えたことにより、社会保険料の負担が増えたと感じるケースも多いです。

社会保険には複数の種類があるので、それぞれの特徴や計算方法を把握しておくと、社会保険料についての理解が深まります。

本記事では、社会保険料の種類や決め方、年収ごとの違いについて詳しく解説します。

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年収毎の手取りはいくらになるのか?

社会保険とは?

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社会保険には以下の5種類があります。

  • 厚生年金保険
  • 健康保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

それぞれについて見ていきましょう。

厚生年金保険

厚生年金保険は会社員の方が加入する保険です。

厚生年金保険には老年年金や障害年金、遺族年金が含まれます。

健康保険

健康保険は勤務外での怪我・病気に関する医療費の補助や生活保障を目的とした医療保険です。

長期休養を余儀なくされた場合の生活保障、死亡保障も含まれます。

なお、怪我や病気のみならず出産・産休での生活の補助もあります。

介護保険

介護保険は介護が必要になった場合に費用を補助する保険です。

通常、介護保険料と健康保険料は併せて納付します。

雇用保険

雇用保険は失業もしくは育休・介護休業などにより収入がなくなった場合に、生活を保障する保険です。

労災保険

労災保険は仕事中もしくは通勤中に怪我や病気をした際の生活を保障する保険です。

死亡した場合は家族の生活保障も目的としています。

ただし、仕事や通勤に関連する怪我・病気のみが対象です。

社会保険料の決め方

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年収が上がることで、社会保険料が上がり戸惑う方もいます。

場合によっては、手取りが少なくなったと感じるケースもあるのです。

社会保険料関連の悩みを解消するには、決め方の仕組みを知っておく必要があります。

詳しく見ていきましょう。

社会保険料は原則4~6月の給与が基準となる

社会保険料は原則4~6月の給与を基準に算出されています。

厚生年金保険や健康保険の保険料は、標準報酬月額に保険料率をかけて算出します。

厚生年金保険は30等級に、健康保険は47等級に分けられており、該当する区分の等級をもとに社会保険料が決まるのです。

標準報酬月額は4~6月の給与総額の平均額を元に計算し、9月から翌8月までの社会保険料に影響します。

4~6月に残業代が多い場合、標準報酬月額が高くなるので、社会保険料の負担が大きくなる可能性があります。

給与の条件変動に応じて社会保険料変動の可能性あり

原則、4~6月の給与が基準となりますが、給与の条件変動が大きい場合、年度の途中であっても社会保険料が変動する可能性があり、随時変動と言われています。

たとえば、「昇級もしくは降級した」「時給制から月給制など給与体系が変更になった」などの状況にて随時変動が行われます。

給与の条件が大幅に変わると、社会保険料を正しく算出できないためです。

社会保険料の変動がある場合、給与条件の変更後3ヶ月の報酬をもとに4ヶ月目以降の社会保険料を算出します。

なお、随時変動が行われるには、以下の3要件を満たす必要があります。

  • 基本給の変動もしくは給与体系の変更が生じた
  • 給与条件が変動した月以降の連続3ヶ月の標準報酬月額と現在の標準報酬月額の差が2等級以上
  • 給与条件が変動した月以降の3ヶ月で支払基礎日数が連続で月17日以上

ただし、給与条件の変動が生じたとしても3ヶ月は社会保険料の変更はありません。

標準報酬月額が社会保険料決定のポイント

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社会保険料を算出する際は、「標準報酬月額」がポイントとなります。

標準報酬月額について把握しておきましょう。

標準報酬月額とは?

標準報酬月額は、給与と厚生年金保険料額表の報酬月額区分を照らし合わせて算出します。

標準報酬月額を算出する際は、以下の給与が対象となります。

  • 基本給
  • 残業手当
  • 通勤手当
  • 家賃手当
  • 現物給与

通常、4~6月の報酬をもとに標準報酬月額を算出し、9月~翌年の8月の社会保険料の決定に使用します。

標準報酬月額が決まるタイミング

標準報酬月額は、「入社時」「通常の年1回」「変更が生じたタイミング」の3つの決定ポイントがあります。

詳しく見ていきましょう。

入社時

入社時のタイミングでは、受け取る見込みの給与額をもとに標準報酬月額を決定します。

通常の年1回

通常、年に1回標準報酬月額を更新します。

4月~6月の給与額を元に算出するのが基本です。

変更が生じたタイミング

標準報酬月額を決めるのは、通常、月1回です。

ただし、給与が大幅に変更となったタイミングで標準報酬月額を見直すケースがあります。

標準賞与額

標準賞与額は、年3回以下で支給される賞与を千円未満で切り捨てた額です。

上限は150万円であり、それ以上の金額であっても標準賞与額は150万円とみなされます。

社会保険料の計算方法は?年収による違い

社会保険料は年収による影響を受けます。

計算方法を把握しておくと、年収との関連性が見えてきます。

社会保険料の計算方法について詳しく見ていきましょう。

  • 厚生年金保険料

月々の厚生年金保険料:標準報酬月額×厚生年金保険料率

賞与の厚生年金保険料:標準賞与額×厚生年金保険料率

厚生年金保険料率は一律18.3%です。

  • 健康保険料:標準報酬月額×健康保険料率
  • 介護保険料:標準報酬月額×介護保険料率
  • 雇用保険料:賃金総額×雇用保険料率
  • 労災保険料:賃金総額×労災保険率

労災保険率は事業の種類により異なります。

社会保険の対象

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社会保険の対象となるには、条件があります。

様々なケースについて見ていきましょう。

社会保険の対象となる年齢

社会保険の対象となる年齢は、種類により異なります。

  • 厚生年金保険:70歳まで

厚生年金保険は70歳までが対象ですが、年休受給期間に達していない場合は、任意で加入できます。70歳を過ぎて加入する場合は、高齢任意加入被保険者としての扱いです。

  • 健康保険:75歳まで

健康保険は75歳までが対象です。

75歳を超えると後期高齢者医療制度へ加入することになります。

  • 介護保険:上限なし

介護保険は対象年齢の上限が設定されていません。

介護保険料は加入している公的医療保険に左右されます。

  • 雇用保険:上限なし

雇用保険はかつては対象年齢が65歳までに設定されていましたが、現在は65歳以上も対象となり、年齢制限がなくなっています。

パート・アルバイトの場合

パート・アルバイトの場合、社会保険の加入条件は以下のようになっています。

【厚生年金保険・健康保険】

労働時間・日数が正社員の4分の3以上の場合加入対象です。

なお、以下の条件を全て満たす場合も加入対象です。

  • 週当たりの労働時間が20時間以上
  • 8万8,000円以上の月額賃金がある
  • 1年以上勤務する見込みがある
  • 学生ではない
  • 特定適用事業所もしくは任意特定適用事業所に勤務している
  • 介護保険

上記、健康保険の加入対象となる40歳以上65歳未満の方

【雇用保険】

  • 週当たりの労働時間が20時間以上
  • 31日以上勤務予

【労災保険】

  • 全員加入

派遣の場合

派遣の場合は、派遣会社が社会保険料関連の手続きを行います。

条件を満たしていれば社会保険の加入対象です。

ダブルワークの場合

ダブルワークの両方とも社会保険の加入条件を満たさない場合は、加入できません。
両方とも加入条件を満たす場合は、両方で社会保険に加入します。

ダブルワークにおける社会保険料は、合計の報酬をもとに算出されます。

なお、雇用保険に関しては、両方とも条件を満たす場合は主たる事業所でのみ加入します。

産休・育休の場合

産休・育休の場合、社会保険料の納付が免除されます。

事業所による手続きが必要です。

退職した場合

会社を退職した場合、厚生年金保険ではなく国民年金に加入することになります。

なお、無職期間中に国民年金保険料を支払えない場合、免除申請できる仕組みになっています。

健康保険は、退職後以下から選択可能です。

  • 健康保険の任意継続
  • 国民健康保険への加入
  • 家族の健康保険の被扶養者になる

また、雇用保険は退職後に被保険者となることはできないですが、失業手当を給付されるケースがあります。

社会保険料に関するQ&A

最後に社会保険料に関するQ&Aをまとめました。

ぜひ、参考にしてみてください。

社会保険の負担は個人?会社?

社会保険料を個人もしくは会社いずれが負担するかは、社会保険の種類により異なります。

厚生年金保険・健康保険・介護保険は会社と労働者で折半します。
ただし、健康保険と介護保険の任意継続被保険者の場合は個人負担となります。

雇用保険は会社と労働者のいずれも負担が生じます。
労災保険は被保険者の負担はなく、全額会社負担です。

社会保険料控除とは?

社会保険料控除は、文字通り社会保険料の控除を受けられる制度です。

社会保険料控除の対象となるには条件があるので、あらかじめ確認しておく必要があります。
社会保険料は、通常、給与天引きされています。

そのため、社会保険料の控除を受ける際に証明する必要はないですが、以下のような場合は控除証明書が必要になることもあります。

  • 退職して再就職するまでに社会保険料を納付した
  • 個人で国民年金もしくは国民健康保険に加入している

なお、会社勤めの場合、通常、年末調整により社会保険料控除を受けるのが一般的です。

ただし、会社で年末調整しないもしくは副業がある場合などでは、確定申告が必要です。
確定申告で年間の所得を提出し、納税額を決定します。

確定申告の結果、社会保険料が控除になるケースがあります。

標準報酬月額を抑えると得する?

社会保険料は標準報酬月額により決まることをお伝えしましたが、標準報酬月額を抑えるのは得なのか気になる方もいるでしょう。

たしかに、意図的に4~6月の残業代を減らせば、年間の社会保険料を抑えられます。

ただし、標準報酬月額は社会保険料のみに適用されるのではなく、「健康保険の傷病手当金」「年金」などへも影響し、標準報酬月額が高い方が有利になります。

総合的に考えると、必ずしも標準報酬月額を抑えるのは得とは限りません。

社会保険料を滞納したらどうなる?

社会保険料を滞納すると、督促状で催促されます。

督促状には期日が記載されていますが、納付しなかった場合は、以下のようなペナルティを課せられる可能性があります。

  • 延滞金がかかる
  • 財産を差し押さえられる

社会保険料の負担が増えるのを防ぐため、滞納には注意しましょう。

社会保険料の納付額はどのように確認できる?

社会保険料の納付額は給与明細もしくは源泉徴収票に記載されています。

どの書面に記載されてあるか把握しておくと便利です。

社会保険料の支払い期限は?

社会保険料の支払い期限は毎月翌月末日までです。

通常、口座引き落としとなっているケースが多いです。

まとめ

社会保険は大きく分けて5種類あり、それぞれに加入条件が設定されています。

また、会社員の社会保険料は年収に左右されるので、昇給・降給により社会保険料が変動する可能性があるのです。

社会保険料の計算方法を知っておくと、理解が深まり納得できます。

生活に直結する社会保険料について正しい情報を把握しておきましょう。

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