「クレームをスムーズに解決するにはどうすれば良い?」
「クレーム対応ではどのようなことに注意する必要がある?」
日常業務の中で、クレーム対応に困っている方もいるでしょう。
クレームをスムーズに解決するには、謝罪の仕方や事実確認のコツなど対応のポイントを押さえておくことが大切です。
また、クレームのNG対応についても把握しておくと、トラブルを回避できます。
本記事では、クレームに対する効果的な対応方法やNG対応などについて詳しく解説します。
クレームが発生する理由は?
クレームはサービス内容が期待していたレベルに達していない場合に生じます。
つまり、クレームを伝えるということは、少なからず期待されていたということなのです。
また、不満を感じた方が必ずしもクレームを伝えてくれるとは限りません。
クレームを直接伝えるのは不満を感じた方の5%未満です。
「不満を感じたまま縁を切られる」「直接クレームを伝えずインターネット上に拡散する」など様々です。
直接クレームを伝えてくれる方は、貴重な存在であることが分かるでしょう。
クレームは期待してもらえている証拠と前向きにとらえ、誠実に対応することが大切です。
また、クレームにも以下のように複数のタイプがあります。
- 相手の期待を下回った場合のクレーム
- 悪質なクレーム
- 常識のないクレーム
中には理不尽なクレームもありますが、いずれの場合も円満解決を心がけましょう。
クレームに対する効果的な対応
クレームをスムーズに解決するには、対応のポイントを把握しておくことが大切です。
相手の心情を踏まえた上での謝罪・傾聴、的確な事実確認、解決策の提示などポイントを押さえた対応が円満解決につながります。
クレーム対応に失敗して新たなクレームに発展しないよう、効果的な対応を把握しておきましょう。
謝罪する
クレーム対応時はまず、謝罪することが大切です。
最初に謝る際は、相手の心情を理解し、部分的に謝るのがポイントです。
というのも、最初の段階では事実確認が完了していないので、完全に非を認めるような謝罪は良くないのです。
単に「申し訳ありません」と謝ると、何に対して謝っているのか理解してもらえず、さらにヒートアップする可能性もあります。
たとえば、「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません。」「大変お待たせしてしまい、申し訳ありません」などと部分的に謝りましょう。
クレーム時は、心情理解を踏まえた謝罪をし、クールダウンに導くことが大切です。
傾聴する
謝罪後は相手の話を傾聴します。
相手に気の済むまで話してもらうことが、円満なクレーム解決のポイントとなるのです。
傾聴するときのポイントを以下に示しています。
- 適度に相づちを打つ
- メモを取る
- 質問をする
- クッション言葉を挟む
適度な相づちを打てば共感の気持ちが伝わりますし、質問したりメモを取ることで真剣に聞いている姿勢を見せられます。
また、「差し支えなければ」「恐れ入りますが」などとクッション言葉を挟むと丁寧さが感じられます。
傾聴する際は、表情や視線、態度にも気をつけることが大切です。
忙しい中でのクレーム対応では、早く済ませることを意識しがちですが、言い分があってもまずは話を聞きましょう。
相手が何らかの不利益を被っている場合は、いたわる言葉をかけることも大切です。
事実を確認する
傾聴する中で事実確認をしていきます。
相手の気持ちを落ち着け、冷静な状態で正確な情報を収集します。
事実確認をする際は、以下を意識することが大切です。
- 必要事項はメモする
- 質問をまじえて事実を把握する
- 業務知識をもとに対応する
クレーム対応のポイントとなることは記録し、整理するのがポイントです。
「いつ」「どこで」「誰が」「不満に感じた要素」「相手の希望」など、詳細に情報を収集します。
必要に応じて質問をまじえることが大切です。
質問する際は期待する答えを得られるよう、端的に伝える必要があります。
また、相手は断片的に話すケースが多いので、迅速に対応するため、事実を正確に整理しましょう。
なお、的確に事実確認するには、業務知識が必須となります。
クレーム対応をスピーディーに行えるよう、事実確認のポイントを把握しておきましょう。
解決策を提示する
事実確認ができたら、クレームに対する対応を考えます。
できるだけ早く、解決策を提示することが大切です。
解決策を提示する際は、一方的な内容にならないよう、相手の立場に立つようにしましょう。
以下にポイントを示しています。
- 誠意が感じられる対応を行う
- 常識の範囲内で対応する
- 対応の具体的な期日を伝える
- 具体制のある解決策を提示する
「誰が」「いつまでに」「どうする」など、具体性のある解決策を誠意を持って提示することがクレープ対応のポイントとなります。
ただし、常識の範囲外のクレームに対する行き過ぎた対応は必要ありません。
相手のクレームに対する対応ができない場合は、相手が納得できるよう説明します。
すぐに解決策を提示できないときは、新たなクレームにならないよう、具体的な期日を伝えることが大切です。
感謝の気持ちを伝える
解決策を提示しクレーム対応が完了したら、感謝の気持ちを伝えることが大切です。
というのも、クレームには今後よりよくするためのヒントになるケースがあるのです。
「今後社内で活かすこと」「社内での検討内容にすること」など、具体性のある内容を伝えましょう。
相手に誠意が伝われば、信頼関係が回復し、良い印象を持ってもらえます。
なお、自社に非がある場合は感謝の気持ちとともにお詫びの気持ちを伝え、社内で共有し次に活かしましょう。
クレームに対するNG対応
クレームを円満に解決するためには、NG対応をしないよう心がけることが大切です。
トラブルを避けるため、あらかじめNG対応と理由について確認しておきましょう。
クレームを否定する
クレーム対応では、クレームを否定するのは良くありません。
不満を感じているときに否定されると、より気分を害する可能性があります。
クレームを言われているときは、まず、誠意を持って聞くことが大切です。
相手に非がある場合でも、頭ごなしに否定するのではなく、「説明不足で申し訳ありませんでした。」などと、気持ちを害さない工夫をしましょう。
話をさえぎる
クレーム対応中、話をさえぎるのはNGです。
途中で話をさえぎられると、より不満が大きくなる可能性があるのです。
相手は言いたいことを全て口に出すことで気持ちが落ち着き、冷静になります。
言いたいことがある場合は、話を最後まで聞いた後に伝えましょう。
相手に不快感を与えない工夫が、クレームの早期解決のポイントです。
待たせる
クレーム対応で待たせるのは良くありません。
相手はクレームを伝える時点でイライラしているので、待たせるとさらに怒りを感じてしまいます。
待たせるのはクレーム対応がこじれる原因になります。
「話を聞き出そうとしたけど時間がかかった」「解決策を提案しても受け入れてもらえなかった」などの失敗につながります。
対応に時間がかかる場合は、あらかじめ伝えておくことが大切です。
なお、待たせてしまった場合は、きちんと謝罪するようにしましょう。
悪質なクレームにはどうすれば良い?
悪質なクレーム時に戸惑わないためには、あらかじめ社内で対応方針を決めておくことをおすすめします。
たとえば、「クレーム関連の担当部署と連携する」「警察や弁護士に相談する基準を設定しておく」などが挙げられます。
対応の一貫性にもつながるでしょう。
こじれたクレームに関しては、社内で情報共有することも大切です。
また、悪質なクレームの場合、内容を記録しておくと対応する際に役立つこともあるので録音しておくと確実です。
なお、法に触れるようなクレームの場合は、弁護士などの専門家に相談するのも手段です。
クレームによるトラブルを避けるにはどうすれば良い?
クレームの効果的な対応方法をご紹介しましたが、あらかじめ対策することで避けられるクレームもあります。
クレーム対応に時間を取られないよう、あらかじめ把握しておきましょう。
クレーム時の対応体制を確立しておく
クレーム時の対応体制を確立していると、実際にクレームが生じた際スムーズに対応できます。
たとえば、「クレームがこじれた場合に誰が対応するか」「クレーム対応の責任者」「対応できる範囲」などを決めておくのがおすすめです。
体制を整えておくことがクレーム時の素早い対応につながります。
クレームになりそうな要素を想像する
クレームを防ぐにはクレームになりそうな要素を想像することが大切です。
たとえば、「待ち時間が長くなる場合に声かけをする」「言葉遣いに気をつけて対応する」など、クレームになる前の対応が可能です。
クレームが起きそうな要素については、社内で確認しておくことが大切です。
ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を意識する
クレームはホウレンソウで共有することが大切です。
クレームを一人で対応するのは得策ではなく、上司や同僚などに相談することでより良い解決策が見つかる可能性があるのです。
また、情報共有することでクレームの再発防止にもなります。
なお、スムーズに報告できるよう、報告時のルールを決めておくとより効率的です。
クレーム対応が得意な方の特徴を見てみよう
クレームに対して、トラブルことなくスムーズに対処できる方もいるでしょう。
クレーム対応が得意な方の特徴を把握しておくと、参考になります。
仕事関連の知識がしっかりしている
クレーム対応では仕事関連の知識が十分にある方が有利です。
知識があると、クレームに対して適切な回答ができるのです。
たとえば、「商品が不良品だった」というクレームが発生した場合は、商品に関する知識があればすぐに対処できます。
一方、知識がない場合は確認の時間が必要なので、相手を待たせて不快感を与える可能性があります。
十分な知識を持ち、クレームに対してスピーディーに対応することが円満解決につながります。
相手の気持ちをくみ取る力がある
クレームに対する謝罪、傾聴、解決策の提示がクレーム対応の基本です。
クレーム対応の過程では、単に話を聞くのではなく相手の気持ちをくみ取り、適切な対処法を示すことが大切です。
意図をくみ取れない場合は、適切な質問で状況を把握することも必要なスキルです。
スムーズにクレームを解決できる人は、相手の不満や希望を理解し、納得できる対応策を提示しています。
冷静に対応できる
クレーム対応では、相手が興奮したり怒りを感じたりしています。
大声で怒鳴られることもありますが、平常心を失うと適切なクレーム対応ができません。
クレーム対応をスムーズに行える人は、相手の言動に惑わされず、冷静に状況を把握するスキルを持っています。
まとめ
クレームの背景には期待があるので、適切に対処することで好印象を持ってもらえます。
クレームに対し適切に対処するには、基本的な流れやコツを把握しておくことが大切です。
また、NG対応について知っておくと、トラブルを避けられるでしょう。
あらかじめクレームが発生したときの体制を整えておくとよりスムーズです。
いざというときに効果的なクレーム対応ができるよう、対応術を学んでおきましょう!