空前の売り手市場が続く近年の人材市場では、中小企業やベンチャーといった規模の小さいところはもちろんのこと、大手企業であっても人材の確保というのが難しくなっています。
様々な企業で、人事担当が「なかなか自社採用がうまくいかない」と悩んでいることも多いです。
しかしそんな中でも、自社採用を成功させ毎年優秀な人材を確保し続けている企業も一定数存在します。
自社採用を成功させている企業と、そうでない企業とはどのような差があるのでしょうか。
そこで今回の記事では、自社採用を成功に導くために、基本的な自社採用に関することから成功させる上で必要不可欠なポイントまで詳しく解説していきます。
自社採用をうまく成功させることができていない企業や人事担当の方は、ぜひ参考にしてください。
そもそも自社採用とは?
そもそも自社採用がどういったものか詳しく知っているでしょうか。
例えば、単純に企業の採用活動というと求人広告をWebサイトに出稿したり、ハローワークに掲示したりするものなどが思いつく方も多いでしょう。
しかしこれは厳密に言うと自社採用とは言いません。
自社採用とは、Webサイトに求人広告を出稿するなどの外部的な力を使うことなく、自社の人間のみで採用活動を行うことであり、企業が欲しい人材に対して直接アプローチするのが大きな特徴です。
求人広告をWebサイトに出稿するといった求人方法は、単純に申し込みを待つ「受け身の採用活動」と言えるのに対して、自社採用は自ら動く「攻めの採用活動」とも言えるでしょう。
自社採用の種類
企業が自ら動き採用活動を行うのが、自社採用の大きな特徴でしたが、実際にどのような方法があるのでしょうか。
自社採用を大きく分けると以下の3通りが存在します。
- オウンドメディアなど自社サイトの活用
- リファラル採用
- ダイレクトリクルーティング
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
オウンドメディアなど自社サイトの活用
自社採用の最も一般的な方法として挙げられるのが、オウンドメディアなど自社サイトを活用して採用活動を行うものです。
企業としては一番使いやすい採用手段であり、採用に特化した別サイトを用意したりすることによって、自社に一番必要なスキルを有した人材にアプローチしやすくなります。
また自社がどういった環境なのか、働いている人かどういった人なのか伝えやすい媒体でもあるので、まだ自社サイトを上手く活用できていた企業は、ここから始めてみるのも良いかもしれません。
リファラル採用
リファラル採用とは、実際に自社で働いている従業員に対して、欲しい人材を紹介もしくは推薦してもらう制度になります。
実際に働いている従業員が、自社に最適の人材を紹介してくれるため、 会社としてもどういった人材か事前にわかりやすいのが特徴です。
また紹介する従業員としても、インセンティブなど特別な報酬をもらえるため、既存の従業員と採用する企業どちら大きなメリットを得ることができます。
ダイレクトリクルーティング
近年様々な企業で取り入れられているのが、ダイレクトリクルーティングという手法です。
ダイレクトリクルーティングとは、企業が持っている人材に関するデータベースから、求めている人材に対して直接アプローチする手法になります。
スカウト型求人サイトなどが代表的な例であり、様々なスキルや経験を有した人材が、特定のサイトに自身のプロフィールを登録し、そこから自社に合った最適な人材を選べことができるサービスを提供している企業などもあるので、気になる場合は一度活用しても良いかもしれません。
自社採用を成功させるためには「ブランディング」が重要
大企業だけではなく中小企業やベンチャー企業が、自社採用を成功させるためにはどうすれば良いのでしょうか。
近年採用にコストがかけられない企業でも自社採用を成功させているポイントとして「ブランディング」をしているかどうかというの共通点があります。
ブランディングと聞くと、あたかもマーケティングに関することではないかと考える方も多いかもしれませんが、自社採用においても同じような考え方で成功することが可能です。
ブランディングがうまくできていればできているほど、企業として魅力を感じる人が多くなり、人材も勝手に集まってくるでしょう。
そこでブランディング力をうまくするための3つのポイントについて解説していきます。
企業としての力
企業としての力と聞くとざっくりしているように感じられるかもしれませんが、これがブランディング力を高めるには重要です。
- 知名度
- 企業イメージ
- 資本力・経済力
- 従業員規模
- 福利厚生
こういったことを総合的に考慮して、企業としての力がどのくらいあるのかというのが判断できます。
もっともこれは企業としての長い取り組みが必要であり、すぐに改善できるものではなく、継続的な企業全体として力を入れていく必要があるでしょう。
企業のビジョン
どういった企業を目指しているのか、企業のビジョンというのも近年重要視されています。
特に若い世代にとっては、仕事だけではなくプライベートも充実させることができるかといった、仕事と生活のバランスが取れている企業も人気です。
そのため働きやすい環境づくりや環境への配慮など、しっかり企業として取り組んでいく必要があるでしょう。
労働条件
労働条件とは、実際に企業で働いた場合の労働環境・給与体系・昇進制度・福利厚生など様々なことを総合考慮したものを指します。
給与体系や福利厚生などが重要視されるのはもちろんのこと、正当な評価がされるかなどの昇進制度、 労働環境が整っているかなどが重要な要素です。
自社採用を成功させるためのポイント
企業としてブランディングをして、働きたい企業だと思わせるような下地ができたら、次に行うことは自社採用の改善です。
これは今すぐできることでもあり、ブランディングをしながら並行して行うことによって、より自社採用を成功に導くことができるでしょう。
そこで自社採用を成功させるために重要な5つのポイントについて、以下で詳しく解説していきます。
ポイント1 必要な人材を明確にする
まずは自社に必要な人材がどういったものなのかというのを明確化しましょう。
必要な人材が明確にならなければ、採用をする際にどういった人材を取れば良いのか、採用方針がぶれてしまいます。
実際に人材を獲得したとしても、後からミスマッチが生じてしまう可能性があり、結果的に損をしてしまう可能性があるので注意が必要です。
まずは求人を行うよりも、会社で足りない人材はどういった人なのか詳しく分析してみましょう。
ポイント2 必要な人材に対して接触する機会を作る
必要な人材はどういった人なのかを明確化したら、次にやることはそんな人材に対して接触する機会を作るということです。
今の時代、ただただ求人広告を出しているだけでは、必要な人材を雇い入れることができません。
ダイレクトリクルーティングやリファラル採用など、様々な手段を使って必要な人材にアプローチしましょう。
ポイント3 必要な人材の働きやすい環境を作る
実際に必要な人材にアプローチすることができたら、次にやることはその人が働きやすい環境を作るということです。
大企業ができないような、中小企業やベンチャー独自の魅力や待遇、労働環境などをしっかりと用意できることを伝えましょう。
現在では、リモートワークなどが発達したことにより、働く場所・時間を問わなくても柔軟に働くことができます。
候補者としっかり相談・調整をして、必要な人材を迎え入れる準備をしましょう。
ポイント4 可能な限り早いレスポンス
企業と同じく候補者もどこで働こうかということを選んでいます。
そのため可能な限り早いレスポンスをすることにより、自分が求められていると感じるため選ばれやすい企業となるでしょう。
特に企業の人事担当の対応がよかったというのは、候補者の入社動機上位によく入ります。
候補者にとって採用担当は、その企業の窓口であり一番検討しやすいポイントでもあるので、ここが良いか悪いかによって大きく変わってくることは間違いありません。
採用活動において、候補者に対する対応がおざなりになっていないか、後回しされていないかしっかりと確認しましょう。
ポイント5 面接やインターンでの確認
買い手市場である場合はともかく、現在は圧倒的な売り手市場の人材業界では、面接も候補者が企業を選定する上で重要な検討材料になっています。
面接やインターンでの対応が悪いかどうかは、その企業が選ばれるかどうかにおいて一番重要なポイントです。
高圧的な面接は絶対に避けて、企業側からも応募者に対し、是非入社してほしい気持ちを伝えることが大事になります。
まとめ
今回は自社採用を成功に導くポイントについて詳しく紹介してきました。
自社採用を成功に導くためには、採用担当だけではなく企業全体で様々な取り組みをする必要があります。
候補者にとって魅力的な企業をアピールするためにも、しっかりとブランディングを行うことができれば、自然と優秀な人材が集まってくるでしょう。
ブランディングをしながら採用活動の問題点を改善することによって、毎年少しずつ自社採用が成功に近づきます。
ぜひ今回紹介したポイントなどを参考にして、自社採用を成功に導いてください。