20代の手取り平均はどのくらい?平均年収を上げるためにできること

令和元年における20代の手取り平均は「253万円」です。
アメリカの研究では、「年収は180万まで下がる」と発表されています。
手取りにすると「144万円」です。

今回は「20代の手取りの平均」についての解説と「平均年収を上げるためにすること」を紹介します。

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1.20代の平均の手取りは年間253万、月間21万

20代の平均の手取りは253万です。
これは国税庁で発表されている「令和2年分民間給与実態統計調査」の20~24歳と25歳~29歳の平均年収(317万)のデータを元に算出しました。
平均年収から税金を引いた額(年収の約8割)が手取りとなり、手取り月給は21万となります。  

発表された平均年収は正規雇用と非正規雇用が合算されています。
正規雇用は正社員、非正規雇用はパート・アルバイト・契約社員・派遣社員です。
両者の年収の差は200万から300万程あります。しかし、国税庁の調査に「年代別の正規雇用と非正規雇用の年収」はありません。

そこで、日本全体の平均年収から正規・非正規雇用のデータをみると、平均年収の約1.15が正規雇用、約0.42が非正規雇用となります。
つまり、20代の平均年収(317万)の正規雇用は364万、非正規雇用は127万です。
手取り(年収の約8割)は正規雇用291万、非正規雇用102万です。

ここまでの説明で、「正規雇用」で勤務している方は「非正規雇用の手取り」は気になりましたか?
「少ないな」「主婦は大変だな」くらいで、そこに焦りは生まれなかったと思います。

しかし、今後、非正規雇用の割合は多くなります。
非正規雇用が多くなるのは「ロボットや人工知能」の実用化が進み、正規雇用する必要がなくなるからです。
多くの仕事は確実に「機械」に奪われます。
それを裏付けるのが2040年問題です。2040年は日本の高齢者人口がピークになります。

また、少子化の影響を受け、若者が減ります。
つまり、高齢の労働者が増え、若い労働者が減少します。
これは企業にとって「人材」がいなくなるということです。
そこで、政府は「ロボットや人工知能」を実用化しようとしています。
人間が担う仕事は専門性を失い、より単純化します。

そこに「賃金が高く、契約内容が複雑な正規雇用」である必要はなく、賃金が安い非正規雇用が増加します。
実際に、国税庁の調査では非正規雇用の割合は増加の傾向がみられています。

2.今後、日本の年収は下がっていく。

非正規雇用が増える中で問題視されているのが、「賃金」です。
日本の非正規雇用の割合は約4割です。
日本は世界でも非正規雇用が多い位置にいますが、その中でも日本の非正規雇用の賃金は安いです。
そこで、2019年4月に「働き方改革」が制定されました。
この改革の目玉として「同一労働同一賃金」という施策があります。
同一労働同一賃金とは、正規雇用と非正規雇用の間に存在する「不合理な待遇差」を改善することです。
つまり、正規と非正規関係なく、仕事内容が同じであれば同等の賃金を支払うべきということです。
これは給与から福利厚生まで幅を広くしています。
その中でも、正規と非正規雇用の年収の差(200万~300万)の半分を占めている「賞与」も対象です。
しかし、この制度が将来の非正規雇用者の不安を解消したわけではありません。

2020年10月13日、最高裁判所にて非正規雇用の今後に関わる重要な2つの事件の判決が下されました。
それが①「大阪医科大学事件」と②「株式会社メトロコマース事件」です。

①は大阪医科大学の元アルバイト労働者が「正社員と同じ仕事をしていたにも関わらず、賞与が支給されないという待遇格差は違法」と損害賠償を求めたものです。
②は株式会社メトロコマースの契約社員が「正社員と同じ仕事をしていたにも関わらず、退職金が支給されないという待遇格差は違法」として損害賠償を求めたものです。

最高裁判所はどちらも2つの事件の請求を退けました。
つまり、非正規雇用では正規雇用と同等の仕事をしても、賞与や退職金を支給される保証はないと捉えられる判決です。また、日本では非正規雇用の中でも男女差があります。
国税庁の発表では全体の非正規雇用の年収は175万です。
男性は226万、女性152万と70万以上の差があります。
つまり、日本の非正規雇用には多くの問題(低賃金、男女差)が存在し、その問題を政府が企業へ丸投げしています。そして、この問題が解決されない限り日本の非正規雇用の年収は下がり続けます。

3.平均年収を上げるためにすること

日本の労働環境を踏まえると、20代のみなさんは企業に必要とされる人材になることが最優先になります。
その結果が平均年収を上げます。
企業が必要とする人材は単純に「仕事ができる人材」です。
そこで、仕事に必要な能力は分析力、思考力、理解力、調整力、表現力、企画力、発想力です。
ここでは職場に貢献しつつ、仕事に必要な能力を鍛えるための方法をご紹介します。

3-1.職場のウィークポイント(弱み)を把握し、改善する。(分析力・思考力)

どの職場にも必ずウィークポイントは存在します。
例えば、「無駄な書類が多い」「意味のない規則が存在する」「非効率的な作業が多い」など、みなさんも職場に疑問を感じたことがあると思います。
それが改善されないのは「誰も気づいていない」「気付いているけど変えようとしない」など様々です。
ウィークポイントを分析し、改善することは簡単かつ上司に評価される大きなチャンスです。
つまり、「誰もやりたがらないこと」はハードルが低く、高評価を受けやすいということです。
誰もやりたがらないことこそ上司は評価対象とし、そこに魅力を感じるはずです。

それが結果として簡単な改善でも問題ありません。
職場のウィークポイントを探すことが分析力を養い、その改善策を考えることが思考力を養うことに繋がります。

3-2.上司(リーダー)の立場を理解し、職場のムードメーカーになる。(理解力・調整力)

多くの上司が抱える悩みとして上位にあるのが「孤独」です。
上司は部下との距離感を考えます。距離を縮めることで指導がしにくくなり、その効果も薄れます。
また、距離を置きすぎても指導の効果は期待できません。

つまり、上司はある程度の適切な距離を保つことが必要なので、「孤独」を感じています。
また、その立場にならなければ理解できないこともあります。
このような上司の悩みや考えを理解することが理解力を養います。
また、上司と部下たちの関係を良好に保つムードメーカーになることも重要です。
ウィークポイントの改善でも述べたように、「人がやりたがらないこと」を率先できることが上司の評価に繋がります。
また、何よりも自分の成長に繋がります。
人と人を繋ぎ、意見をすり合わせる行為は「調整力」です。
その職場のムードメーカーになり、上司の相談役になることでさらに上司の立場を理解できます。

3-3.職場に必要な専門的スキルを高めて、仕事をもらう。(表現力・企画力)

クリントン政権で労働長官を務めたロバート・バーナード・ライシュ氏は退任後、経済学者として「富の格差」を研究しています。
その研究の中に、将来の労働は「マックジョブ化する」という発表があります。
マックジョブ化とは「マクドナルドのようにマニュアル化された仕事」のことをいいます。
マックジョブ化のメリットは「特別な技能が必要ない」「簡単」です。

デメリットは「専門性が低くなる」「非正規雇用でも可能」です。
また、メリットでもデメリットでもある「誰でもできる」という言い方もできます。
多くの職場でこのマックジョブ化が進むと非正規雇用が増えます。
つまり、20代のみなさんがやるべきことはマックジョブ化しても必要な専門的スキルを高めることです。

最近では多くの店舗(スーパー、コンビニ、書店、ガソリンスタンドなど)でセルフサービスが普及しています。
その結果、労働者が削減できます。
そこで必要になるスキルはセルフサービスに用いるハード面を管理できることです。
つまり、機械のメンテナンスをする能力です。
また、将来普及する「ロボットや人工知能」ができないことを人が担うことになります。
例えば、機械にはできない繊細な手の動きを必要とする、人の心を扱う、人が「人」を求めるものなどです。
今いる企業が必要とする専門的スキルを高めて、それをアピールすることが表現力・企画力に繋がります。

3-4.本業に関与する副業をする。(発想力)

「働き方改革」により、副業が解禁になりました。
この副業解禁の狙いは「今後、本業で何かあっても困らないように、今から副業して稼ぐ力をつけてほしい」です。それだけ、将来の日本の経済は不安定になります。
有名な大企業がいつ潰れるかわかりません。
そこで、本業をしながらスキマ時間でできる副業をすることが必要になります。
副業は本業に関わる仕事であれば、本業のスキルも伸ばすことができます。
しかし、ある程度のセカンドキャリアの計画があれば、そこに副業の焦点を当てるべきです。

副業についての注意点は「企業によって副業は禁止されている」、「公務員は副業禁止」ということです。
政府が働き方改革を制度化しても、企業の「定款」で副業禁止となっている場合、注意が必要です。
禁止の罰則として解雇もあります。
また、公務員の副業禁止に3原則(信用失墜行為の禁止、守秘義務、職務専念の義務)があります。
将来的に解禁されることも考えられますが、見通しはたっていません。
また、違反の罰則として、免職、停職、減給、戒告があります。

4.「お金」で転職を決めるのは論外

ここまで平均年収を上げるためにすることを説明しました。
平均年収を上げるためには企業に必要とされることが重要であり、それが仕事に必要な能力を伸ばすことです。
20年後の2040年は高齢者がピークを迎え、「ロボットや人工知能」が普及し、人間の労働者の雇用が危ぶまれます。
20代から「企業が必要とする人材」を目指しましょう。

平均年収を上げるために「転職」をすすめる記事が多くあります。
多くの場合、転職サイトに促すためのアフィリエイトです。
仮に、転職して年収が上がっても前述した「平均年収を上げるためにすること」ができなければ、最終的には非正規雇用に陥ります。
また、転職すると「1年目になる」「年下でも先輩になる」「一から学ばなければならない」と多くのデメリットが生まれます。
このデメリットを跳ね返す力がなければ、また違う職場や職業に目が行きます。
「お金」を優先させず、基礎を学びましょう。
常に自分を分析し、その自分のステップアップのために必要な環境を選ぶことが大切です。
自分を成長させるための自己研鑽が年収を上げるための近道になります。

【参考文献】
・令和元年分 民間給与実態統計調査 国税庁
・「働き方改革」の実現に向けて 厚生労働省
・同一労働同一賃金ガイドライン 厚生労働省
・「ロバート・ライシュ 格差と民主主義」

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